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肥満の糖尿病患者の胃容量を外科的に減らすと…
体重が大幅に減少し糖尿病が改善

 2型糖尿病でBMIが30~40の患者を対象として、胃の容量を減らすための外科的な処置の効果を調べる初の無作為化試験の結果、生活改善と糖尿病管理からなる通常の治療に比べ、外科的処置を併用したグループでは、糖尿病が改善した患者の割合が5倍以上に上ることが明らかになった。オーストラリアMonash大学のJohn B. Dixon氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年1月23日号に掲載された。

 BMIが35を超える人の2型糖尿病の調整相対リスクは、女性で93(95%信頼区間81-107、BMI 22未満の女性と比較した場合)、男性で42(22-81、BMI 23未満の男性と比べた場合)という報告がある。また、2型糖尿病と診断された患者の約半数は肥満だといわれている。また減量は2型糖尿病の治療において非常に有用で、死亡率と有病率を下げることが知られている。

 著者らは、腹腔鏡下調節性胃バンディング術LAGB)を用いた外科的処置による減量が、血糖値管理や、糖尿病治療薬の必要性などに好ましい影響を与えるかどうかを調べる無作為化試験を行った。

 非盲検試験をMonash大学の肥満研究センターで2002年12月から2006年12月まで実施。2型糖尿病と診断されて2年未満、BMIは30超で40未満、腎機能は正常で糖尿病性網膜症がない20~60歳の患者60人(平均年齢47歳)を登録。通常値両群と外科治療群に30人ずつ割り付けた。60人のうち、BMI 35未満は13人、6人が外科治療群、7人が通常治療群に割り付けられた。

 通常治療群には、生活改善による減量に焦点を当てた最善の治療と教育を実施した。かかりつけ医、栄養士、看護師、糖尿病教育専門家の手助けを自由に受けることができ、6週ごとにいずれか1人と面接することを2年間継続。治療薬の選択は、経験を積んだ糖尿病専門医によって患者ごとに行われた。

 生活改善プログラムも個々に設計された。エネルギー摂取、脂肪と飽和脂肪の摂取を減らし、血糖インデックス(GI)の低い食品と繊維含有量の高い食品を選ぶよう指導した。運動は、1日1万歩の歩行と、1週間に200分の構造化された活動(エアロビクス、レジスタンスエクササイズなど)を推奨。生活改善による体重減少を目指したが、患者の要望に応じて、超低カロリー食や薬物療法の適用も個々に検討し実施した。

 外科的治療は、通常の治療に追加して、割り付けから1カ月以内に行われた。バンドの調整は標準的な臨床基準に基づいて行った。

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