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高齢の糖尿病患者へのロシグリタゾン投与は心疾患リスクを高める
日常診療レベルの大規模後ろ向き研究の結果から

 チアゾリジン系薬剤TZD)(ロシグリタゾンまたはピオグリタゾン)を高齢の2型糖尿病患者に投与すると、ロシグリタゾンは他の経口糖尿病治療薬に比べ、うっ血性心不全、急性心筋梗塞のリスクが上昇し、さらに全死因死亡リスクも有意に上昇することが示された。カナダToronto大学のLorraine L. Lipscombe氏らの報告で、詳細はJAMA誌2007年12月12日号に掲載された。

 TZDはうっ血性心不全リスクを高めると報告されている。ロシグリタゾンについては、急性心筋梗塞リスク上昇にも関係すると見られている(2007.6.28「米国のロシグリタゾン騒動の行方は」を参照)。しかし、根拠となっているデータのほとんどは臨床試験で得られたもので、この種の薬剤の使用と心血管イベントの関係が集団ベースで適切に評価されたことはない。また臨床試験の被験者は多くが65歳未満だが、現実には、糖尿病患者の40%超が65歳以上だ。有害事象は一般に若者より高齢者に現れやすい。

 そこで著者らは、TZD投与とうっ血性心不全、急性心筋梗塞、全死因死亡の関係を他の経口糖尿病治療薬と比較する日常診療レベルの大規模後ろ向き研究を実施した。

 オンタリオ州の複数の医療データベースを利用したネステッド症例コントロール研究では、2002~2005年に経口糖尿病薬を1剤以上利用した66歳以上の糖尿病患者(15万9026人、平均年齢74.7歳)が2006年3月31日まで追跡された。なお登録前1年間にインスリンを使用した患者は除外された。ただし追跡期間中にインスリンの使用を開始した患者はそのまま追跡した。

 対象患者は、
1)TZD単剤(229人、さらにロシグリタゾン群とピオグリタゾン群に分類)
2)他の糖尿病薬の単剤投与(メトホルミン、スルホニルウレア、アカルボース、メグチニドのいずれか、5万7177人)
3)TZDと他剤を併用(1463人)
4)他剤同士の併用(3万76人)
5)インスリン単剤
6)インスリンとTZD以外の薬剤の併用
の6群に分類した。

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