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NEWS◎新型コロナ治療に関する新たなガイドラインを公開
WHOが入院例へのレムデシビル投与を非推奨に

 世界保健機関(WHO)は、11月20日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者に対して、その重症度に関係なく、レムデシビルの投与を推奨しないとするガイドラインを発表した(関連サイト)。

 ただし同ガイドラインは、「レムデシビルに効果がないとの十分なエビデンスがあるわけではない」とする。新たなガイドラインで非推奨としたのは、「これまでに得られた知見からは、COVID-19患者における重要なアウトカムを改善するエビデンスがなく、重篤な有害事象を生じる可能性が否めない中で、限られたもしくは不確かな利益を支持できない」ためとのこと。加えて、各国における医療アクセスや医療資源にも配慮したという。

 このガイドラインは、4つのランダム化比較試験に参加したCOVID-19入院患者7333人のプールされたデータのシステマティックレビューとネットワークメタアナリシスの結果を基に作成された。これらの解析では、レムデシビルは入院患者の死亡率を減少させる効果は認められなかった(オッズ比0.90 95%信頼区間[CI] 0.70‐1.12、エビデンスレベル低)。加えて、他の重要なアウトカム(人工呼吸導入回避、回復に要する時間の短縮など)においても、有効性は示されなかったという(BMJ. 2020;370 m2980.)。

 加えて、査読前論文ではあるが、WHOの主導で、南米、アフリカ、東南アジア、北欧、東欧、インド、カナダ、西欧など30カ国から患者を登録して実施中の臨床試験(Solidarity試験)で、試験薬を投与しない群と比べて院内死亡率に有意差がないとした中間解析の結果も参照している(関連記事:COVID-19に“効く”薬の検証はどこまで進んだ?)。

 レムデシビルは、今年5月に特例承認された核酸アナログ製剤で、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する。国内での対象は、SpO294%以下、酸素吸入を要する、ECMO(体外式膜型人工肺)、侵襲的人工呼吸器管理のいずれかを呈するCOVID-19 患者だ。WHOのガイドライン発表後、加藤勝信官房長官は、レムデシビルの承認を見直す必要はないとの考えを示しており、国内では入院患者への使用は継続できそうだ。

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