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乳腺外科医の控訴審有罪判決、中川会長「体が震えるほどの怒り」

日本医師会会長の中川俊男氏

 準強制わいせつ罪に問われ、2020年7月13日の控訴審で懲役2年の有罪判決が出た柳原病院(東京都足立区)の非常勤外科医に対する訴訟を巡り、日本医師会会長の中川俊男氏は7月15日の会見で「体が震えるほどの怒りを覚えた。日本医師会は判決が極めて遺憾であることを明確に申し上げ、今後全力で支援する」と表明した。

 訴訟は2016年5月に右乳腺腫瘍摘出手術を受けた患者が、術後診察時に医師から左乳首をなめられるなどのわいせつ行為を受けたと訴えたもの。証拠鑑定をした科学捜査研究所(科捜研)が、DNAの増幅曲線や検量図のデータを残していなかったり、DNA抽出液を証拠鑑定後に破棄したと証言したことから、弁護団側は証拠能力に疑いがあるなどと主張していた。2019年2月に一審で無罪判決が出たが、控訴審では破棄、逆転有罪となった。

 会見で副会長の今村聡氏は「科捜研のDNA判定ではデータを鉛筆で書いて消しゴムで消す、DNAの抽出液を廃棄するなど、通常の検査で考えられない方法がとられている。再現性の乏しい、ずさんと言わざるを得ない検査だ。それにもかかわらず検査の信用性を肯定する判決は世間の常識から大きく乖離している」と指摘し、「このような判決が確定することになれば、全身麻酔下での手術を安心して実施することは困難となる。医師を代表する団体として今回の有罪判決には強く抗議する」と述べた。

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