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1分解説◎発病後致死率ほぼ100%の狂犬病、2019年に新ワクチンが登場
国内で14年ぶりに狂犬病の発症を確認

 愛知県豊橋市は5月22日、フィリピンから来日した外国籍の男性が狂犬病を発症したことを確認したと発表した。男性は2019年9月にフィリピンで犬に咬まれたことがあり、その際に感染したとみられる。狂犬病の発症が国内で確認されたのは2006年以来、14年ぶりとなる。

 狂犬病ウイルスは、犬だけでなく猫やコウモリなどのウイルス保有動物に咬まれることで、咬傷から唾液を介してヒトの体内に侵入する。咬傷付近の筋肉から神経末端に入り、中枢神経を通り脳に到達。脳で増殖したウイルスは、再び神経系を経由して別の組織に広がる。感染から発症までの潜伏期間は通常1~3カ月程度だが、1年を超える例も報告されている。今回の症例は9月の咬傷が原因だとすれば、潜伏期間は約8カ月と考えられる。

 狂犬病の初期には、発熱、頭痛、倦怠感などのほか、咬傷部位の疼痛やその周囲の知覚異常、筋攣縮といった症状が見られる。脳で増殖したウイルスによる炎症が進行すると、錯乱や幻覚といった精神症状を引き起こす。また、水を飲んだり冷風に当たることで咽頭などの痙攣を生じるため、水や風を極端に恐れるようになる恐水・恐風症状を呈するのも特徴的。その後、昏睡状態から呼吸停止により死に至る。狂犬病は一度発症してしまうと有効な治療法がなく、ほぼ100%の患者が死亡する。

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