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社会保障審議会・介護保険部会で制度の持続可能性を議論
ケアプラン作成への自己負担導入は賛否両論

 厚生労働省は10月28日、社会保障審議会・介護保険部会(部会長:国立社会保障・人口問題研究所長の遠藤久夫氏)を開き、「制度の持続可能性を高めるための対応」「高齢者向け住まいの質や量の確保」「介護関連データベースの利活用」などについて議論した。制度の持続可能性を高めるための対応としては、(1)ケアマネジメントに関する給付のあり方、(2)軽度者への生活援助サービスなどに関する給付のあり方、(3)多床室の室料負担、(4)被保険者・受給者範囲、(5)補足給付に関する給付のあり方、(6)高額介護サービス費、(7)現役並み所得・一定以上所得の判断基準、(8)現金給付――の8項目を協議。いずれも賛否両論があり、これから年末の意見取りまとめに向けてさらに検討が進められることとなった。以下、介護事業者に関わりが特に強い(1)~(3)について主な意見を紹介する。

 まず(1)ケアマネジメント(居宅介護支援)の給付のあり方について。ケアプラン(居宅サービス計画)の作成やサービス事業者との連絡調整、利用者によるサービスの選択などを行うケアマネジメントは、介護保険制度の創設時から10割給付のサービス(自己負担なし)となっている。しかし国の財政がひっ迫する中、質の高いケアマネジメントを提供する観点からも、10割給付を見直して自己負担を導入すべきだと指摘されている。

 これに対してUAゼンセン日本介護クラフトユニオン会長の久保芳信氏らは、「ケアプランは介護保険制度の根幹であり、要介護者が気兼ねなく相談できるよう原則として自己負担なしとされてきた。自己負担の導入は今が適切なのかどうか見極めが必要。利用者の言いなりのケアプランとなったり、セルフケアプランが増えることが予想される」と懸念を示した。そのほか、「自己負担を導入すると、結局支払うのは家族であり、家族の意向がケアプランに強く反映されるのではないか」という意見もあった。

 一方、自己負担の導入を求める声としては、財源の問題を指摘する意見のほか、「ケアマネジメントが無料であると、自己負担がある他サービスとのバランスに欠ける」などがあった。また利用者が自分でケアプランを作成するセルフケアプランを懸念するのであれば、セルフケアプランに基づく介護保険サービスは保険給付の対象外とすることも検討すべきだという指摘があった。

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