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学会トピック◎第47回日本救急医学会総会・学術集会
ERでの暴力患者、医療者の対応には限界が

 ERで暴力を振るう患者に対して、医療者はどこまで我慢すべきなのか――。公立陶生病院救命救急センター(愛知県瀬戸市)の市原利彦氏らは、現行犯逮捕となった症例について、第47回日本救急医学会総会・学術集会(10月2~4日、東京都)に報告。ERがこうした暴力患者を受け入れるのには限界があるとし、組織的な対応や行政の早期介入の必要性を訴えた。

 市原氏らは「ERでの安全、医療の限界を問いたい」と考え、ERで医療者に暴力を振るい警察に逮捕された症例を報告した。

 患者は60歳代の男性。繁華街で友人らと飲酒。帰宅時にふらつきがあり3回ほど転倒。ふらつきが改善しないとのことで救急要請があった。

 同病院のERには、22時ごろ救急搬送された。到着時は会話が可能で、バイタルサインも安定していた。対応した研修医や看護師が末梢点滴を確保しようとしたが、患者は強くこれを拒否。脳梗塞の既往があるため、脳梗塞再発も視野に入れて診察をしようとするが、これも拒否し、研修医や看護師に対して暴力を振るい始めたという。

 救急科の医師に対応を依頼し、家族も交えて説得を試みたが、聞く耳持たずの状態でさらに暴力を振るったため警察に通報。医師を受傷させたため、ER入り口での現行犯逮捕となった。

 警察到着後も診察不可能で、入院は困難と考え警察に留置された。なお、患者は翌日再診。脳梗塞再発はなく留置継続となった。

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