日経メディカルのロゴ画像

全日本病院学会に厚労省地域医療計画課課長の鈴木健彦氏が登壇
民間病院の診療実績データの分析結果も公表へ

 「再編統合というと『病院の統廃合』ととらえられがちだが、それだけでなく病床のダウンサイジングや機能分化・連携・集約化なども含まれる。地域に求められる医療を質が高く効率的な形で不足なく提供するためにどのような対応が必要か、再編統合も視野に議論を進めてほしい」――。第61回全日本病院学会(会期:9月28~29日、開催地:名古屋市)のシンポジウム「地域医療構想」で、厚生労働省医政局地域医療計画課課長の鈴木健彦氏はこう説明した。

 厚労省は9月26日の「地域医療構想ワーキンググループ」で、再編統合について再検証を要請する公立・公的病院等424病院の名称を公表した(関連記事:再編統合の再検証を要請する424病院を公表)。2017年度病床機能報告で「高度急性期」「急性期」の病床を有すると報告した4549病院の診療実績データを分析。このうち、公立・公的病院等1455病院について、(1)診療実績が特に少ない、(2)類似の診療実績を有する病院が2つ以上あり、かつ互いの所在地が近接している――のいずれかに該当する場合、具体的対応方針の再検証を要請することになった。再検証の要請を受けた病院は、再編統合を行う場合は2020年9月末まで、再編統合を行わない場合は2020年3月末までに結論を得ることとされた。

 公立・公的病院等が対応を検討するに当たっては、構想区域にある民間病院の診療実績を踏まえた協議が必要となる。鈴木氏は「民間病院のデータについても、精査した後に都道府県を通じて提供したい」と話し、民間病院のデータを公表する考えを明らかにした。

 シンポジウムには、地域医療構想ワーキンググループの構成員である織田正道氏(全日本病院協会副会長)、伊藤伸一氏(日本医療法人協会会長代行)も登壇した。織田氏は、「公立・公的病院が再編統合を行えば、地域の民間病院も影響を受ける。公立・公的病院だけでなく地域の民間病院を含め、関係者が一同に会して話し合いを進める必要がある」と話した。

 伊藤氏は、「『わが病院さえ生き残ればいい』という姿勢で、過剰な設備投資や人員確保を行う時代は終わった」と強調。地域に求められる医療を継続的に提供できるよう、病院ごとに担う機能をデータに基づき話し合う必要があるとした。

 伊藤氏はさらに、愛知県の病床機能報告と診療実績データの分析結果を紹介。尾張西部医療圏は2025年の病床の必要量に対し、急性期病床は過剰、回復期病床は不足状態にあり、公立・公的病院等5病院のうち公立の1病院が再検証要請対象とされた。この結果について、伊藤氏は「非常に的確な指摘といえる」と評価した。

 一方で東三河南部医療圏では2025年の病床の必要量に対し、急性期病床と慢性期病床が過剰、回復期病床は不足状態にあったものの、再検証要請対象がゼロだったことから、「何らかの指標が別に必要ではないか」と指摘した。さらに、名古屋尾張中部医療圏では高度急性期病床が過剰、回復期病床が不足状態にあり、公立・公的病院等20病院のうち公的の3病院が再検証要請対象とされたが、「どのような話し合いが行われるか、将来像が見えてこない」と話した。

この記事を読んでいる人におすすめ