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学会トピック◎第44回日本外科系連合学会学術集会
高齢者の救急治療後は早期から嚥下障害対策を

 救急治療を受けた高齢者は、日常生活動作や認知機能が低下する場合がある。特にQOLに大きく影響する摂食・嚥下機能については、「救急治療そのもののストレスに加えて、場合によっては絶食を余儀なくされるため嚥下機能が低下してしまう」――。市立東大阪医療センター消化器外科の上田正射氏は救急治療を受けた高齢者の摂食・嚥下機能の変化について、第44回日本外科系連合学会学術集会(6月19~21日、開催地:金沢)で発表した。

 市立東大阪医療センター消化器外科では、嚥下困難な症例に対し、主治医の判断で摂食・嚥下障害看護認定看護師または言語聴覚士に依頼して摂食・嚥下機能の評価や訓練を実施している。介入時期は、主に安定期を過ぎて食事を開始する前である。

 摂食・嚥下機能は、一般的に10段階で評価される。グレード10は正常の摂食・嚥下能力、グレード8~9は軽度の摂食・嚥下障害が見られるものの常食あるいは特別嚥下しにくい食品を除いた食事を経口摂取できる状態、グレード7は嚥下食を経口摂取可能、グレード4~6は経口摂取は可能だが代替栄養を併用する状態、グレード2~3は経口摂取が不可だが摂食や嚥下訓練が可能。グレード1は嚥下訓練を行うことも難しいとされている。

 検証したのは、2015年1月~2019年1月に同センター消化器外科で救急治療を行った65歳以上の患者のうち、摂食・嚥下が困難になり嚥下チームが介入した50例。年齢(中央値)は84歳で、男性26例、女性24例だった。基礎疾患は脳梗塞/脳出血が18例、悪性疾患11例、神経変性疾患7例、慢性腎不全4例、糖尿病2例だった。また、18人が認知症を患っていた。

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