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学会トピック◎第61回日本老年医学会学術集会
日本老年医学会「ACP推進に関する提言」を発表
患者の意思を継続的な対話で患者の意思決定を支援

2019/06/19
小崎丈太郎=医学ライター

 医療・ケアの方針決定には本人一人ひとりの意思を把握し、家族やスタッフで共有することが重要である。その具体的な手法であるAdvance Care Planning(ACP)推進の意義とその望ましいプロセスの在り方を、日本老年医学会の倫理委員会「エンドオブライフに関する小委員会」(委員長;名古屋大学大学院医学系研究科発達・加齢医学講座教授 葛谷雅文氏)が、このほど「ACP推進に関する提言」としてまとめ、同学会第61回学術集会(6月6日~8日、仙台)で報告した。

 ACPはもともと治癒の見込みが乏しく、進行性の癌患者に対して当人の意思を尊重したケアの提供を目的に、リビング・ウィルなどの事前提示の不足を補うことで発展してきた。その背景には、様々な医療技術の発達、患者や家族の価値観の多様化などがあった。その後、ACPの重要性は、癌以外の高齢者医療などの現場で認識されるようになった。高齢者の医療とケアは不可分であり、一体化して考えるべきという考えから、高齢者医療・ケアを専門領域とする日本老年医学会が提言をまとめることになった。

 小委員会の副委員長を務め、大会の後に本誌の取材に応じた東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理研究センター上廣講座特任教授の会田薫子氏は「癌に限らず慢性疾患に罹患している、もしくは老化によってADLが低下しているなど、多くの人に対してACPが実施されるべきという考えから日本老年医学会としての提言をまとめた」と語る。

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