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ニュース◎福生病院の透析終了例で日本透析医学会が声明
「患者の透析終了の意思が尊重されてよい事案」
緩和ケア体制、説明の記録、文書による同意取得には課題も

 公立福生病院の透析終了例について調査を進めていた日本透析医学会(理事長:埼玉医科大学の中元秀友氏)は5月31日、調査結果に基づいた見解を公表。発端となった女性(死亡当時44歳)については、「患者の透析終了の意思が尊重されてよい事案だった」との判断を示した。また、他の透析非導入・終了例を含め、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)や緩和ケアプランの検討、さらにはその詳細の記録などの面で課題を提示した。

 見解は「日本透析医学会ステートメント」としてウェブサイトに公開された。「今回の経緯と日本透析医学会の立ち位置」「調査委員会調査および結果報告」「拡大倫理委員会の見解」「提言作成委員会について」「今回の事例で明らかになったこと」「未来に向けて」の6項目で構成されている。

 ステートメントでは、日本透析医学会の立場を「学術研究団体であり、捜査機関でも裁定機関でもない」と明記。その上で、「今回の事例について『善悪』を判断すべき立場にはなく、事実を終局的に認定したり、事実に対する法的責任を認定する権限も資格もない」と言及した。また調査は、福生病院からの要請で行われたもので、病院から提示された資料や聞き取り調査、質問書への回答に基づいている点も強調した。

 その上で調査の目的は、(1) 今回きっかけとなった事例の問題点を明らかにする、(2) 明らかにされた問題点に対して、学術的な観点から議論する、(3) 今回の事例などを踏まえて、今後の医療のあり方、特に最良の医療を提供するための指針を策定する――の3点で、「あくまで今後のより良い医療に向けた方向性を明確にすること」とした。

 調査対象は、発端となった女性の透析終了例をはじめ、これ以外の透析非導入19例と透析開始後の終了4例の計24例だった。

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