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学会トピック◎EuroPCR 2019
PCI時の「高出血リスク患者」の国際基準が発表
高出血リスク判定アプリも提供開始

スイス・トゥール病院のPhillip M. Urban氏

 経皮的冠動脈インターベンションPCI)を受ける患者が「高出血リスクHBR:High bleeding risk)」であるかを判定する国際的な評価基準が、各国のインターベンション医などで構成される学術研究コンソーシアムARC:Academic Research Consortium)によって定義された。5月22日にEuroPCR 2019(5月21~24日、開催地:フランス・パリ)において、ARCを代表してPhilip M. Urban氏(スイス・トゥール病院)が発表した。論文は同日、European Heart Journal誌とCirculation誌に掲載された。

 全世界では、PCIを受ける患者の約2割は出血リスクが高いと推定されている。高出血リスクの患者に対しては、冠動脈ステント留置後の抗血小板薬併用療法(DAPT)期間の短期化など、出血リスクを考慮した対応が求められる。

 2012年に開始したLEADERS FREE試験以降、高出血リスク患者を対象とした冠動脈ステントの臨床試験は複数実施されてきた。しかし、試験ごとに異なる基準で高出血リスク患者が定義されてきたため、試験同士の直接比較や解釈には限界があった。また、実際の治療時のステント選択やDAPT期間の判断においても、高出血リスク患者の明確な基準が定まっていないことが課題だった。

 そこで、欧米、日本、韓国のインターベンション医、およびFDAやPMDAなどの審査機関の担当者など31人で構成される学術研究コンソーシアムのチーム(ARC-HBR)が、2018年に2回の会合を開催。学術的なコンセンサスとして、高出血リスクの定義を「PCI後1年以内の(1)BARC(Bleeding Academic Research Consortium)出血基準3または5で出血リスクが4%以上、または(2)脳出血リスクが1%以上」と決定した。なお、BARC出血基準3は「明白な出血とヘモグロビンの低下、頭蓋内出血など」、BARC基準5は「致死的出血」となっている。

 その上で、高出血リスクの定義に当てはまる患者を判定する基準として、以下の「10個の主要項目のうち1個以上、または6個の副次項目のうち2個以上に該当すること」とした。ARC-HBRは、これらの項目に基づいて高出血リスク患者を判定する医師向けのアプリ(外部リンク)の提供を開始した。

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