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厚労省医師分科会医師専門研修部会
消化器内視鏡、老年病は専門医として妥当?
暫定サブスペシャルティ領域に異論相次ぐ

 厚生労働省は2月22日に医道審議会医師分科会医師専門研修部会を開催。2018年4月に始まった新専門医制度の「サブスペシャルティ領域」の在り方について議論し、国民に分かりやすい制度にするためにも、どの領域がサブスペシャルティ領域として適切かを「改めて検討すべき」といった意見が複数の委員から示された。

 日本専門医機構は、サブスペシャルティ領域の研修を基本領域の研修期間中に前倒しで始める「連動研修」を2019年度から開始する予定で、内科、外科、放射線科の3つの基本領域に紐付いた23の領域について、暫定的に認める方針を示している。これに対して同部会では、暫定的に認められた領域のうち、消化器内視鏡といった技術を認定する領域や、老年病といった患者が受診を躊躇する名称の診療科などが含まれていることへの指摘が集まった。

 このほかにも、国民に分かりやすい制度にする新専門医制度の目的に照らし、サブスペシャルティ領域の在り方や暫定的に認められている領域に疑問を呈する意見が複数示された。そのため、3月に開催される次回の同部会までに整備基準を明確にするよう日本専門医機構に求め、それを基に改めて検討する流れとなった。

 検討会では、聖路加国際病院副院長の山内英子氏が「(サブスペシャルティ領域の)乱立は避けるべき。消化器内視鏡を認めるのであれば、腹腔鏡やダヴィンチについても同様に認めることになるのか。学会などが技術認定制度を作るといった対応が必要ではないか」とコメント。

 対して、消化器内視鏡を認めた日本内科学会認定医制度審議会の副会長である宮崎俊一氏は、消化器内視鏡領域をサブスペシャルティ領域とすることを、日本肝臓学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の3学会が連名で希望した経緯を説明。「消化器領域は肝臓、胆嚢、膵臓と非常に幅広く、患者数も多いことから全ての領域をカバーすることは難しい。健診などでも内視鏡の使用が必須とされてきている」と話し、サブスペシャルティ領域として認める方針が固まった背景を説明した。

 これに対して山内氏は「診療技術をサブスペシャルティ領域として認める場合、専門医を取得していなければ、その技術を使う処置を行ってはいけないのかという疑問が生じる。それでは地域医療が成り立たなくなる。誰が診療を行うのかという観点からも議論しなければならない」と返した。

 老年病については、「複数の疾患を抱えることが多く、臓器別でなく全人的に診る必要性が高い」「小児が成人のミニチュアではないことと同じように、老年者も若年者の延長ではない」といった理由から内科分野のサブスペシャルティ領域として認める方針が固められていた。これに対しても、「医師であれば老年者の診察は誰でもできるはず」(全国市長会会長で福島県相馬市長の立谷秀清氏)、「老年科と言われたら患者はかかりにくいのではないか」(全国町村会副会長で北海道白糠町町長の棚野孝夫氏)など反発する意見が示された。

 こういった議論を踏まえ、「サブスペシャルティの整備基準が十分整備されていない。少しでも早く専門医を養成するために連動研修を行うべきという考えは理解できる。だが、連動研修が(4月から)始まるからといって結論を急ぐのは本末転倒だ。整備基準が明らかになった段階で研修内容を精査して、後からその実績を認めればよい。場合によっては検討をし直すことも必要」と日本医師会常任理事の釜萢敏氏がコメント。

 指摘を受け、日本専門医機構理事長の寺本民生氏は、現在示されている23領域は「暫定的に認定されているということ」と返答した。さらに、サブスペシャルティ領域の創設を希望した90の領域から回答を得た「レビューシート」を基に、4月以降、専門医制度整備基準に基づいた申請・審査を行うことを説明。次回の検討会で、サブスペシャルティ領域の整備基準とその基準に合致した領域を提示する方針を明らかにした。

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