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学会トピック◎第22回日本心不全学会学術集会
心不全患者へのACP、実践率は13%
介入時期は医療者が考える最適時期より遅い傾向

聖隷浜松病院の齋藤秀輝氏

 心不全診療におけるアドバンス・ケア・プランニングACP)の実践率は、平均で13%にとどまっていることが報告された。浜松市内の医療機関に勤務する医療従事者を対象に行った調査で明らかになったもので、聖隷浜松病院の齋藤秀輝氏が、第22回日本心不全学会学術集会(10月11~13日、東京)で発表した。

 ACPとは、終末期に至った際に、患者の納得した人生を送ってもらうことを目標に、意思決定能力が低下する前に患者や家族が望む生き方を医療者が共有し、事前に対話をしながら計画するプロセス全体を意味する。

 齋藤氏は、浜松医科大学の生駒剛典氏、聖隷三方原病院の山本敦也氏らとともに、若手医師とコメディカルをコアメンバーとした浜松心不全チームディスカッションを年2回の頻度で開催し、浜松市内の医療機関に勤務する医療従事者とともに議論を重ねている。2018年2月に第1回を開催。その勉強会の終了後に実施した無記名自由提出選択方式のアンケート行い、ACPの認知度、実践率、ACP介入の最適時期と実際の実践時期などを明らかにした。

 その結果、「ACPという言葉を知っていた」あるいは「ACPという言葉を聞いたことがある」は合わせて76人で回答者の64%だった(回答118人)。勤務先の医療機関で、心不全患者の何パーセントにACPが実践できているかを尋ねたところ、0%が13人、5%が16人、10%が10人だった。一方、80%との回答も1人おり、平均では13%だった。

 最適なACP介入時期と考える時期については、「初回入院時」を挙げた人が20人(24%)、「初回退院時」が15人(18%)、「2回目入院時」が21%(18人)などだった(回答者84人)。一方、実際のACP介入時期は、「2回目入院時」が7人(21%)、「年2回の入院時」が5人(15%)、「自宅退院困難となった時」が8人(24%)だった(回答33人)。実際の時期は、最適と考える時期よりも遅くなる傾向が見られた。なお、59人は「実践できていない」と回答した。

 斎藤氏は実践率が低かったことを受け、「心不全診療におけるACPは、今後さらなる普及が望まれる」とまとめた。

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