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続発する画像診断の確認漏れ
千葉大病院でもCT報告書の確認漏れ9例公表

記者会見で状況を説明する千葉大病院長の山本修一氏(写真左)と、副病院長・医療安全管理責任者の市川智彦氏(写真右)

 千葉大学医学部附属病院(院長:山本修一氏)は6月8日、CT検査の確認不足によって診断が遅れた事例が9件あり、うち4件は診断の遅れが治療結果に影響を及ぼしていたと公表した。問題を重く見た病院は外部調査委員会を設置して原因究明や再発防止策の提言を依頼、6月1日に報告書を受け取った。その提言を踏まえ、画像診断にかかわる専門医の増員や職員の意識改革などに取り組み、再発防止に注力していくという。

 問題が明らかになったのは2017年7月、肺癌の疑いで千葉大病院呼吸器内科を受診した50歳代の男性患者が、1年前の2016年6月に頭頸部腫瘍の確認のためにCT検査を受けており、そのときの画像診断報告書で既に肺癌を疑う所見が指摘されていたことだった。2016年6月時点での診療科の医師による確認不足が疑われ、2017年8月に呼吸器内科から院内の医療安全管理部に報告が上げられた。

 調査の結果、2016年のCT検査時に放射線診断専門医が報告書を作成していたにもかかわらず、診療科の医師は自らの専門領域である頭頸部のみに注目し、肺癌についてはさらなる確認を怠っていたことが判明した。患者・家族に病院として事実を伝え謝罪し、現在も治療が続けられているという。同様な事例が他の大学病院でも報告されていたことから、注意喚起とともに全ての診療科に調査を依頼したところ、類似したケースが2017年10月に相次いで2件報告された。

 60歳代の女性は、炎症性腸疾患の経過観察のため2013年6月にCTが行われたが、その報告書にあった腎癌を疑う所見の確認を担当医が行わず、2017年10月にアレルギー膠原病内科で実施したCTで腎癌が見いだされた。腎癌の治療が開始されたが、患者は2017年12月に死亡した。

 また60歳代の男性は、2017年5月に心臓手術の術前検査で行われたCTで肝結節の所見が報告された。だが、担当医はその後の確認を行わず、2017年10月に消化器内科によるCTで膵癌が発見され、現在も治療を続けている。

 確認不足と考えられるケースの続発を受け2017年11月、病院が改めて全診療科を対象に調査を実施したところ、2018年3月までにさらに6件報告された。問題の拡大に対して抜本的な対策が必要と判断した病院は2018年2月に外部調査委員会を設置、原因究明を依頼した。

 病院内での事例検討委員会と外部調査委員会での検討から、原因は以下の4つに類型化された。

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