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財務省が「地域別診療報酬」の活用を提言
財政審・財政制度分科会で医療費抑制策を議論

 財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会が4月11日に開かれ、社会保障制度の持続可能性の確保をテーマに議論が行われた。

 分科会で提示された改革案は、(1)保険給付範囲の見直し、(2)公定価格と提供体制のあり方、(3)給付と負担のバランス──の3つの視点からなる。2017年12月の経済財政諮問会議で示された「経済・財政再生計画 改革工程表2017改定版」に既に載っている項目も含め、これまで財務省が掲げてきた社会保障費抑制策を総ざらいした格好だ。

 (1)の保険給付範囲の見直しでは、受診時定額負担の導入のほか、例えばOTC医薬品の類似薬を処方した際は薬剤費の自己負担比率を上げるなど、薬剤の種類に応じて自己負担が変わる仕組みについて具体的内容を検討すべきだとした。また、介護保険の居宅介護支援に利用者負担を導入すべきだと提言した。

 (2)の公定価格と提供体制のあり方では、2018年度診療報酬改定で見直された急性期病床の入院料について、これが病床再編や急性期入院医療費の抑制につながったかどうか評価し、必要に応じて次期改定でもさらなる要件厳格化を進めることを求めた。

 加えて、医療費適正化に向けた地域別診療報酬の設定にも言及。高齢者医療確保法第14条では、地域ごとに診療報酬の定めを行うことが可能だと規定されているが、2006年の法改正で規定されて以来、実施例はない。医療政策における都道府県の権限が強化されつつある流れを受け、「地域別診療報酬を柔軟に活用するための枠組みを国として整備すべきだ」と提言した。

 地域別診療報酬の具体例としては、「医療費の伸びが高い地域で診療報酬1点当たりの単価を10円未満にする」「入院医療費の地域差を是正するために、特定の病床における入院基本料の単価を引き下げる」「薬剤師や薬局が過剰な地域では調剤技術料を引き下げる」などを挙げた。また、分科会では参考資料として、奈良県の取り組みを提示。県民の保険料支払い負担を軽減するため、県が医療費適正化を主導し、地域別診療報酬の積極活用を検討していることを紹介した。

 なお、日本医師会会長の横倉義武氏は同日の定例記者会見で「医療は、地域によって分け隔てなく全国一律の単価で提供すべきである」とこれまでと同様、地域別の診療報酬に反対の姿勢を示した。「第3期医療費適正化計画の実施期間である2023年度までは、計画の目標達成に注力すべきで、その上で計画が未達の場合は地域別診療報酬を適用する必要性について検討し得る」と横倉氏は話している。

 このほか、医療提供体制のあり方については、医療資源の地域偏在についても提言した。地域医療構想などで病床については一定の規制を行う仕組みがある一方、診療所と医師の配置、高額医療機器については提供体制をコントロールする仕組みがないと指摘。仕組みの構築について早期に議論を進めるべきだと求めた。

 (3)の給付と負担のバランスについては、後日の分科会で議論する予定だ。分科会で示された改革案は下表の通り。

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