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結核予防のため訪日外国人の入国前検査強化へ
多剤耐性結核にベダキリンの使用認める

 厚生労働省は2月26日、外国からの入国者への結核対策を強化する目的で、90日以上と長期に日本に滞在する訪日外国人に対し、ビザの申請時に「結核非罹患証明」か「結核感染性消失・治癒証明」の提出を求める方針を厚生科学審議会結核部会で提案。大筋で了承された。

 これは、日本に滞在する外国人の結核患者が増加していることを受けてのもの。2016年における国内の結核患者数は1万7625人(死亡者数は1889人)で、このうち1338人(7.9%)を出生国が日本以外の国である外国人が占めている。また、特に感染を拡大するリスクの高い15~24歳の結核患者のうち、外国生まれの新届出結核患者数は、804人中471人と58.6%に達しており(国立感染症研究所ウェブサイト)、高蔓延国の出生者が日本滞在中に発症するケースが増加していることが問題視されていた。

 結核対策強化の対象となるのは、特に国内で結核患者数の多い国(フィリピンや中国、ベトナム、ネパール、インドネシア、ミャンマー)から留学や就労などを目的に90日以上と長期に日本に滞在する予定の外国人。今後、対象者が日本に長期滞在する際は、自国で日本政府があらかじめ指定したクリニックを受診し、病歴や理学検査、胸部X線検査、喀痰検査から結核感染の有無を確認することが求められる。結核の発病がなければ「結核非罹患証明」、結核発病後に治癒していれば「結核感染性消失・治癒証明」が発行された場合のみビザが発給される仕組みとなる。

 なお、現行の出入国管理および難民認定法でも、結核が含まれる二類感染症の患者の入国は認めていない。米国やカナダ、オーストラリアなどの主要先進国では、すでに高蔓延国からの入国例や長期滞在者を対象に入国前のスクリーニングを実施していることから、同方針の導入を決めた。

 順次、国ごとに体制整備を進め、国内で結核患者数の多い上位6カ国との調整を実施する。その上で、人口10万人あたりの罹患率が50以上の国もスクリーニングの対象とする方針だ。

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