中国で確認されている鳥インフルエンザA(H7N9)の高病原性ウイルスが、哺乳類の間で飛沫感染し、感染すると致死的な症状を引き起こし得ることが明らかになった。東京大学医科学研究所の河岡義裕氏らの研究グループが米科学誌Cell Host & Microbeで発表した。
H7N9ウイルスは、2013年に中国で人への感染が確認されて以降、低病原性だけでなく高病原性のウイルスも確認されている。2017年における高病原性H7N9ウイルスの人への感染報告は30例近くにのぼっている。しかし、高病原性H7N9ウイルスの哺乳類に対する病原性や、哺乳類間での伝播力については明らかになっていなかった。
今回、河岡氏らは、中国の患者から分離した高病原性H7N9ウイルスの性状解析を行った。低病原性と高病原性のH7N9ウイルスをそれぞれフェレットに感染させたところ、高病原性H7N9ウイルスはフェレット間で飛沫感染し、致死性が高いと分かった(図1)。一方、低病原性H7N9ウイルスに感染したフェレットでは死亡が確認されなかった。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。