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学会トピック◎欧州糖尿病学会(EASD2017)
血糖の日間変動が大きいと総死亡リスクが上昇
DEVOTE試験のサブ解析結果

カナダ・トロント大学のBernard Zinman氏

 持効型インスリンを使っている2型糖尿病患者において、血糖日間変動が大きいと重症低血糖および総死亡のリスクが、また重症低血糖の既往があると総死亡リスクが、それぞれ有意に上昇していたという。インスリンデグルデクの心血管安全性を評価したDEVOTE試験のサブ解析結果で、カナダ・トロント大学のBernard Zinman氏らが第53回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2017、9月11~15日、開催地:リスボン)で発表した。

 DEVOTEは米食品医薬品局(FDA)が定めたガイドラインに準じて行われた大規模ランダム化比較試験。対象は日本人を含む心血管リスクの高い2型糖尿病患者7637例で、これを基礎インスリンとしてデグルデクを使う群とグラルギンを使う群に無作為に割り付け、2年間(中央値)追跡した。心血管安全性に関して、デグルデクのグラルギンに対する非劣性を認めたとする主結果は、今年6月に行われた第77回米国糖尿病学会学術集会(ADA2017)で報告された(関連記事)。

 今回発表されたサブ解析では、まず空腹時血糖の日間変動とアウトカムの関係が検証された(DEVOTE2)。デグルデク群とグラルギン群で両者の関連に差を認めなかったため、2群を併合して解析した。追跡期間中、来院した週に3回測定した朝食前の血糖自己測定(SMBG)値の標準偏差から、高変動群(2528例)、中変動群(2530例)、低変動群(2528例)に三分位した(変動性を算出できなかった51例を除く)。評価期間(1カ月)は、患者ごとに無作為に割り振った。

 ベースラインの患者背景として、糖尿病罹病期間は高変動群18.8年、中変動群16.3年、低変動群14.1年、HbA1cはそれぞれ8.8%、8.4%、8.1%、空腹時血糖はそれぞれ9.9mmol/L、9.5mmol/L、9.2mmol/Lであり、変動が大きい群で数値は大きかった。

 重症低血糖は高変動群237例(5.00%/年)、中変動群116例(2.38%/年)、低変動群83例(1.69%/年)、MACE(心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合)は高変動群267例(5.48%/年)、中変動群219例(4.49%/年)、低変動群187例(3.84%/年)、総死亡は高変動群171例(3.40%/年)、中変動群131例(2.61%/年)、低変動群115例(2.30%/年)、それぞれ発生した。

 空腹時血糖の日間変動との関連性について検討したところ、補正前のハザード比(HR)は重症低血糖で4.11(95%信頼区間[95%CI]:3.15-5.35、P<0.001、以下同様)、MACEで1.36(1.12-1.65、P=0.0023)、総死亡でHR 1.58(1.23-2.03、P<0.001)となり、3指標とも有意なリスク上昇となった。ただしMACEについては、HbA1cとベースライン特性で補正するとHRは1.21となり(0.98-1.49、P=0.0811)、有意差は消失した。

 これらの結果からZinman氏は、「空腹時血糖の日間変動は、重症低血糖や総死亡と関連することが示された」と結論した。

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