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学会トピック◎欧州心臓病学会(ESC2017)
リバーロキサバンでCVD再発リスクが24%減
COMPASS試験、末梢動脈疾患合併例の主要下肢イベントも半減

カナダ・マクマスター大学のJohn Eikelboom氏

 スペイン・バルセロナで開催されている欧州心臓病学会ESC2017、会期:8月26~30日)でカナダ・マクマスター大学のJohn Eikelboom氏らは、アスピリンに低用量のリバーロキサバンを上乗せすることで、心血管疾患(CVD)の再発リスクが24%、有意に減少したと発表した。CVDの既往がある2万7395例を対象にリバーロキサバンの第3相試験として行われたCOMPASS試験の結果だ。さらに同じグループのSonia Anand氏は、末梢動脈疾患(PAD)に限定した7470例でのサブ解析を報告。主要下肢イベント(MALE)のリスクも46%の大幅な減少となった。

 COMPASSの対象は、安定した冠動脈疾患(CAD)または末梢動脈疾患(PAD)の既往がある患者(両疾患の合併例を含む)。これを、リバーロキサバン(2.5mg×1日2回)+アスピリン(100mg/日)投与群(R+A群)、リバーロキサバン(5mg×1日2回)投与群(R群)、アスピリン(100mg/日)投与群(A群)の3群に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合イベント(MACE)とした。当初は3~4年の追跡が計画されていたが、R+A群でのリスク減少が明らかとしてデータ安全性評価委員会により早期中止が勧告され、平均23カ月間の追跡で中止され結果が発表された。日本からの1556例を含む33カ国602施設から登録された2万7395例が、解析対象となった。追跡完了率は99.8%と良好だった。

 患者背景は、平均年齢68歳、血圧136/78mmHg、総コレステロール4.2mmol/L(162mg/dL)、90%にCADの既往、27%にPADの既往があった。38%が糖尿病を合併し、90%が脂質異常症治療薬を、71%がレニン・アンジオテンシン系抑制薬を服用していた。

 主要評価項目となるMACEの発生はR+A群の4.1%(9152例中379例)に対してA群は5.4%(9126例中496例)で、A群に比べてR+A群の発生リスクは24%、有意に減少していた(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[95%CI]:0.66-0.86、P<0.001)。R群も4.9%(9117例中448例)とA群よりは低率だったが、A群との間に有意な差はなかった(HR:0.90、95%CI:0.79-1.03、P=0.12)。

 R+A群におけるリスク減少の傾向は、各評価指標である心血管死亡(HR:0.78、95%CI:0.64-0.96、P=0.02)、脳卒中(HR:0.58、95%CI:0.44-0.76、P<0.0001)、心筋梗塞(HR:0.86、95%CI:0.70-1.05、P=0.14)で一貫していた。

 一方、出血のリスクはR+A群とR群で増加した。国際血栓止血学会(ISTH)の修正基準による大出血(入院または救急施設に一晩滞在しない状況も含む)の発生は、R+A群3.1%(288例)、R群2.8%(255例)、A群1.9%(170例)で、R+A群のHRは1.70(95%CI:1.40-2.05、P<0.0001)、R群のHRは1.51(95%CI:1.25-1.84、P<0.0001)と、それぞれA群に比べ有意に上昇していた。ただし、致死的な出血では、どちらもA群との間に有意差を認めなかった(A+R群のHR:1.49、95%CI:0.67-3.33、P=0.32、R群のHR:1.40、95%CI:0.62-3.15、P=0.41)。

 net clinical benefitとして主要評価項目と重篤な出血の複合イベントを比較すると、R+A群4.7%(431例)、R群5.5%(504例)、A群5.9%(534例)となり、R+A群とA群の間では有意差を認めた(HR:0.80、95%CI:0.70-0.91、P=0.0005)。

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