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認知症学会など、会員から寄せられた13の質問に回答
5学会が改正道交法の認知症診療Q&Aを公開

 日本神経学会、日本神経治療学会、日本認知症学会、日本老年医学会、日本老年精神医学会は3月14日、5学会合同で「認知症高齢者の自動車運転に関する専門医のためのQ&A集」を示した。改正法施行を前に各学会の会員から多く寄せられた質問に答えたもので、13個のQ&Aがまとめられている。

 3月12日に施行された改正道路交通法では、75歳以上の高齢者は運転免許証更新時の認知機能検査で「認知症のおそれ(第1分類)」と判定されると、全員が公安委員会が指定する医師(認知症専門医)による臨時適性検査を受検するか、診断書の提出が必要になった。さらに更新のタイミングにかかわらず、75歳以上の高齢者が一定の違反行為を行った場合は臨時認知機能検査が課されることになる(関連記事:免許更新の認知症診断に医療機関は対応できるか)。

 これを受けて5学会は合同で、会員から寄せられた質問に対する回答をまとめたQ&A集の作成を進めてきた。Q&A集作成の取りまとめを担当した日本認知症学会理事長の秋山治彦氏(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター臨床研究部部長)は、「このQ&A集作成に関わった学会には会員から多数の問い合わせが寄せられた。いただいた問い合わせにできるだけお答えできるよう、この領域の専門家の方々が推敲を重ね、このQ&A集ができた。道交法に基づき受診を指示された高齢者の診察に当たり、参考にしていただければと思う」とコメントしている。

 Q&A集では例えば、「初期・早期のアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症で抗認知症薬を投与し有効であった場合など、病状が改善していることも考えられます。このようなケースでは診断書は認知症で構わないでしょうか?」という質問に対し、「この場合、認知症として診療を行っていることから、診断書も認知症となります。またコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬などの添付文書では、機械類や運転を控えるようにとの記載があるため、適切な薬物使用の説明責任があることにもご留意下さい」と回答。

 また「認知症と診断した医師が、患者様から(誤診により免許を取り上げられる結果になったと)訴えられることはないですか?」との質問には、「臨時適性検査および診断書提出命令に係る診断書作成は医師により行われますが、診断書にもとづいて免許取消し等の行政処分を行う場合は、聴聞等の手続を経て、都道府県公安委員会の判断と責任において処分が決定されます。処分に不服があるときには、審査請求や取消し訴訟の提起をすることができます。したがって、診断書作成医師に刑事上の責任が生じることはありませんが、民法上の責任はこの限りではありません」としている。

 3月12日施行の改正道路交通法を巡っては、3月に入ってから日本医師会が「かかりつけ医向け 認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き」を出しており(関連記事:認知症を強固に否認するケースは警察に相談を)、整合性を取った内容になっている。

 主なQ&Aは以下のとおり。

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