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第4回日経アジア感染症会議が開催、結核やAMR対策で行動計画
日本主導でアジア地域の感染症対策を

第4回日経アジア感染症会議の様子

 日本経済新聞社は2017年3月3日から4日にかけて、沖縄県那覇市で第4回日経アジア感染症会議を開催した。同会議ではアジア諸国の感染症対策に日本発の治療薬やワクチン、診断薬などを役立てるため、日本の官民協力(Public Private Partnership:P3)をより強固にする方策について話し合った。

 多剤耐性結核をテーマにしたパネルディスカッションでは、アジア諸国で広がるP3プロジェクトの進捗状況について報告があった。P3プロジェクトは、日経アジア感染症会議が運営するアジア医療イノベーションコンソーシアム(AMIC)結核部会が提案したもので、日本発の治療薬と診断薬をパッケージとしてアジア諸国へ提供することを目標としている。AMIC結核部会は、2015年に首相官邸や関係省庁に働きかけて同プロジェクトを開始した。

 具体的には、アフガニスタンでは日本との技術協力プロジェクトである「結核対策プロジェクト」(2015~2018年)で、結核遺伝子検査の「TB-LAMP(栄研化学)」、多剤耐性結核遺伝子検査の「ジェノスカラー(ニプロ)」、結核治療薬の「デラマニド(大塚製薬)」を活用した。その他にもJICAの民間技術普及促進事業が進められており、フィリピンではTB-LAMPとジェノスカラーを用いた「日本の技術による新たな結核診断アルゴリズムの普及促進事業」が始まり、インドネシアではデラマニドを用いた「結核患者の服用遵守支援システム普及促進事業」、ジェノスカラーを用いた「結核診断キットの普及促進事業」が進行中である。

 エボラウイルス感染症をテーマとしたパネルディスカッションにおいても、P3プロジェクトについて報告があった。同プロジェクトでは、エボラウイルス感染症にも効果が期待される抗インフルエンザ薬「ファビピラビル(富山化学工業)」や、エボラウイルス検査キットの「RT-LAMP(東芝メディカル・長崎大学)」の実証実験が行われている。厚生労働省の資金協力の下、フランスの国立保健医学研究機構INSERMとの共同研究として進められている。エボラウイルス感染症を対象としたファビピラビルの臨床試験が実施され、ギニア政府に無償供与したRT-LAMPに関しては、現地に人材を派遣し、診断を行うための育成プログラムが実施された。

 マラリアをテーマとしたパネルディスカッションでは、AMICマラリア部会が発足したことが報告された。同部会はマラリアの感染を媒介するベクター(蚊)対策、診断、治療をパッケージとして提供することについて検討している。ベクター対策としては防虫剤処理蚊帳の「オリセットネット(住友化学)」と防蚊用塗料や殺幼虫剤などを組み合わせたシステムを普及させる必要があるとし、診断については「マラリアLAMP法(栄研化学)」と「フローサイトメーター法(シスメックス)」を組み合わせて、無症候性を含めたマラリア患者のスクリーニングが重要と報告した。新たな治療薬についても「アミノレブリン酸(SBIファーマ)」を筆頭に開発を進めるべきとしている。

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