日経メディカルのロゴ画像

ウオッチ!2015介護報酬改定
厚労省が改定の疑義解釈を公表
通所介護の新設加算や「療養機能強化型」介護療養の要件の詳細など示す

 厚生労働省は4月1日、2015年度介護報酬改定の疑義解釈をまとめたQ&A(介護保険最新情報Vol.454)を発出した。居宅サービスでは大幅な改変が行われた通所介護や訪問・通所リハビリテーション、施設系サービスでは介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護療養型医療施設(介護療養病床)に関する項目数が目立つ。

 通所介護では、認知症加算と中重度者ケア体制加算など新設加算のQ&Aを中心に掲載。例えば認知症加算と中重度者ケア体制加算を併算定する場合は、事業所として人員基準に定める看護・介護職員に加えてさらに常勤換算で2人以上確保していれば、認知症加算および中重度者ケア体制加算の要件をそれぞれ満たす、といった解釈が示された。ただし、中重度者ケア体制加算の算定要件の1つである、提供時間帯を通じて専従で配置する看護職員は、他の職務との兼務は認められないことから、加算の要件である加配を行う常勤換算の員数を算出する際の勤務時間数に含めることはできない。

 通所リハビリテーションでは、リハビリテーションマネジメント加算(II)の算定要件となるリハビリ会議の参加者の職種や、生活行為向上リハビリテーション実施加算の要件となるリハビリスタッフの研修の内容についての記載が中心。介護療養病床では、新設の「療養機能強化型」の算定要件である「重篤な身体疾患を有する者および身体疾患を有する認知症高齢者の占める割合」や「喀痰吸引、経管栄養またはインスリン注射が実施された者の割合」の具体的な算出法を明示した。

 以下に、主な介護サービスのQ&Aの内容を記す。なお、『日経ヘルスケア』4月10日発売号の特集では、改定の影響度を徹底分析した。


●訪問系サービス共通
【集合住宅減算】
・月の途中に集合住宅減算の適用を受ける建物に入居した場合は、入居日から退去日までの間に受けたサービスについてのみ減算の対象となる
・広大な敷地に複数の建物が点在するもの(UR(独立行政法人都市再生機構)などの大規模団地や、敷地に沿って複数のバス停留所があるような規模の敷地)、幹線道路や河川などにより敷地が隔てられており、訪問するために迂回しなければならないものについては、減算対象とならない
・未届けの有料老人ホームであっても、老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホームの要件に該当するものであれば、集合住宅減算の対象となる

●訪問介護
【20分未満の身体介護】
・20分未満の身体介護の提供で、頻回訪問を算定できる利用者のうち、要介護1・2の利用者については、認知症の日常生活自立度II以上に該当する利用者が対象となる
【サービス提供責任者の人員配置の緩和】
・一定の要件を満たす指定訪問介護事業所が、サービス提供責任者の人員配置を「利用者 50人に対して1人以上」とすることについて、都道府県知事に対する届け出は要しない。ただし、一定の要件を満たすことを証明する資料などについて、当該指定訪問介護事業所に整備しておくことが必要
・「業務の省力化・効率化に係る取り組み」には、業務支援ソフトやタブレット端末などの活用による省力化・効率化をはじめ、利用者に対して複数のサービス提供責任者が共同して対応する体制(いわゆる「チーム制」)など、業務体制の工夫による取り組みも含まれ、いずれかの取り組みを行うことにより、当該要件を満たす
【生活機能向上連携加算】
・生活機能向上連携加算の算定は、訪問介護計画の作成に当たり、訪問リハビリテーションまたは通所リハビリテーション事業所の理学療法士などが利用者の居宅を訪問する際にサービス提供責任者が同行する、または、当該理学療法士などおよびサービス提供責任者が、利用者の居宅をそれぞれ訪問した上で、協働してカンファレンス(サービス担当者会議として開催されるものを除く)を行った場合に算定要件を満たす

●通所介護
【認知症加算・中重度者ケア体制加算】
・中重度者ケア体制加算の算定対象となる看護職員は他の職務と兼務できない。このため、認知症加算を併算定する場合は、認知症介護にかかる研修を修了している者を別に配置する必要がある
・認知症加算と中重度者ケア体制加算を併算定する場合、事業所として人員基準に定める看護・介護職員に加えて、看護・介護職員を常勤換算で2人以上確保していれば、認知症加算および中重度者ケア体制加算における要件をそれぞれの加算で満たすことになる
・認知症加算と中重度者ケア体制加算の算定要件の一つである、専従の認知症介護実践者研修等修了者または看護職員は、サービス提供時間を通じて1人以上配置されていれば、複数単位におけるサービス提供を行っている場合でも、各単位の利用者について加算の算定対象となる
・認知症加算、中重度者ケア体制加算それぞれについて、認知症高齢者の日常生活自立度III以上の割合、要介護3以上の割合については、利用実人員数または利用延べ人員数を用いて算定する。なお、利用実人員数で計算する場合、月の途中で要介護状態区分や認知症高齢者の日常生活自立度が変更になった場合は月末のものを用いて計算する
・認知症高齢者の日常生活自立度の確認方法は、医師の判定結果または主治医意見書を用いて、居宅サービス計画または各サービスの計画に記載することとなる。なお、複数の判定結果がある場合には、最も新しい判定を用いる。医師の判定がない場合は、「要介護認定等の実施について」に基づき、認定調査票中の「認知症高齢者の日常生活自立度」欄の記載を用いるものとする。これらについて、介護支援専門員はサービス担当者会議などを通じて、認知症高齢者の日常生活自立度も含めて情報を共有することとなる
・認知症加算について、認知症介護実践者研修等の修了者は、介護職員以外の職種(管理者、生活相談員、看護職員など)でも認められるが、その場合、通所介護を行う時間帯を通じて、通所介護事業所に従事している必要がある。なお、ほかの加算の要件の職員して配置する場合、兼務は認められない
・認知症加算の算定対象者の利用がない日については、認知症介護実践者研修等の修了者の配置は不要
【中重度者ケア体制加算】
・提供時間帯を通じて配置する看護職員は、ほかの職務との兼務は認められず、加算の要件である加配を行う常勤換算員数を算出する際の勤務時間数に含めることはできない。なお、加算の算定要件となる看護職員とは別に看護職員を配置している場合は、当該看護職員の勤務時間数は常勤換算員数を算出する際の勤務時間数に含めることができる
【個別機能訓練加算】
・既に加算を算定している利用者については、3カ月ごとに行う個別機能訓練計画の内容や進捗状況などの説明を利用者または利用者の家族に行う際に、居宅訪問を行うことで継続して加算を算定できる
・利用契約前に居宅訪問を行った場合についても、個別機能訓練加算の居宅訪問の要件を満たす
・個別機能訓練加算(I)と個別機能訓練加算(II)を併算定する場合、居宅訪問による居宅での生活状況の確認は、それぞれの加算を算定するために別々に行う必要はない。なお、それぞれの加算で行うべき機能訓練の内容は異なることから、両加算の目的、趣旨の違いを踏まえた上で、個別機能訓練計画を作成する必要がある
・居宅訪問は、利用者宅への送迎後に職員が残り、生活状況を確認することでも認められる
・個別機能訓練計画作成に関わる職員であれば、職種にかかわらず計画作成や居宅訪問を行える。3カ月に1回以上、居宅訪問し、生活状況を確認する者は、毎回必ずしも同一人物で行う必要はない
・個別機能訓練加算(I)で配置する常勤・専従の機能訓練指導員は、個別機能訓練計画におけるプログラムに支障がない範囲において、居宅を訪問している時間も配置時間に含めることができる。生活相談員については、事業所外における利用者の地域生活を支えるための活動が認められるため、勤務時間として認められる。
【延長加算】
・9時間の通所介護等の前後に送迎を行い、居宅内介助などを実施する場合も延長加算は算定して差し支えない
・通所介護などの営業時間後に利用者を宿泊させる場合は、別途宿泊サービスにかかる利用料を徴収していることから、延長にかかる利用料を徴収することは適当ではない
・通所介護等の利用者が自宅には帰らず、別の宿泊場所に行くまでの間、延長して介護を実施した場合、延長加算は算定できる
・「宿泊サービス」を利用した場合は、通所介護事業所の営業時間の開始前に延長サービスを利用した後、通所介護などを利用しその当日より宿泊サービスを利用した場合や、宿泊サービスを利用した後、通所介護サービスを利用し通所介護事業所の営業時間の終了後に延長サービスを利用した後、自宅に帰る場合など、同一日に宿泊サービスの提供を受ける場合は、延長加算を算定することは適当ではない

この記事を読んでいる人におすすめ