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2015年度介護報酬改定の報酬単価が明らかに《1》
特養の基本報酬はマイナス6%の大幅引き下げ
岐路に立たされる介護療養病床の経営

2月6日に開かれた厚生労働省の社会保障審議会・介護給付費分科会で、2015年度介護報酬改定における各サービスの報酬単価が決定した。

 厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会・介護給付費分科会は2月6日、2015年度介護報酬改定の報告案をまとめた。同日、分科会は西村周三社会保障審議会会長(医療・経済研究機構所長)に報告。西村氏が塩崎恭久厚生労働大臣に答申した。これにより、2015年度介護報酬改定における各サービスの報酬単価が決定した。

 全体の改定率は既報の通り、マイナス2.27%(うち在宅分マイナス1.42%、施設分マイナス0.85%)と9年ぶりのマイナス改定となった。介護職員処遇改善加算の拡充分としてプラス1.65%、認知症・中重度者対応の評価分でプラス0.56%が含まれるため、実質的なマイナス幅は4.48%に上る。消費増税延期に伴う社会保障財源の減少が影響した格好だ。

 明らかになった報酬単価を見ると、各サービスで基本報酬が大幅に引き下げられたことが分かる。一方で認知症対応や看取り対応、重度者対応などで新設された加算も数多い。基本報酬の引き下げ分を加算で取り戻すことで、事業者に機能分化を促すという今改定の方向性が見えてくる。本稿ではまず施設サービスについての改定内容を速報する。

特養などの看取り介護加算は拡充
 施設系サービスのうち、とりわけ逆風の改定となったのが介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)。報酬単価は6%前後引き下げられた。従来型個室の基本報酬は、要介護3で723単位/日から682単位/日に減額されるなど、要介護1~5で約5.7%の引き下げ。多床室では軽度者ほど引き下げ幅が大きく、要介護1が現行の634単位/日(2012年4月1日以前に整備されたもの)から594単位/日へと約6.3%の減額になる。

 一方、看取り介護加算は拡充された。死亡日以前4日以上30日以下の場合は、従来の80単位/日から144単位/日に引き上げられた(特養以外の看取り介護加算も同様)。また、特養で重度者の積極的な受け入れを評価する日常生活継続支援加算は要件を厳格化した上で、これまでの23単位/日から36単位/日(従来型)、46単位/日(ユニット型)へと引き上げられた。

 介護老人保健施設は、病院などの医療機関からの在宅復帰を促進する中間施設という役割をさらに明確化。前回の2012年度改定で新設された在宅強化型(在宅復帰率50%超、ベッド回転率10%以上など)は基本報酬の引き下げを余儀なくされたが、多床室の基本報酬は要介護3で963単位/日から948単位/日へとマイナス1.6%の小幅な引き下げ。一方、通常型(多床室)は、要介護3で904単位/日から877単位/日へと3.0%引き下げられた。在宅強化型よりも要件が緩和されている在宅復帰・在宅療養支援機能加算(在宅復帰率30%超、ベッド回転率5%以上など)は、21単位/日から27単位/日へと引き上げられ、通常型からの移行を促す内容となっている。

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