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次世代パーソナル・ゲノム・サービスフォーラムが発足
拡大する個人向け遺伝子検査、その課題は?
設立記念シンポでヤフーやDeNAなどが講演

DeNAファウンダーの南場智子取締役はサービス開始の経緯などを説明した。

今春サービスを開始したエバージーンの秋田正倫社長。

 2014年12月4日、都内で次世代PGS(パーソナル・ゲノム・サービス)フォーラム設立記念シンポジウムが開催され、近年急速に市場が広がっている個人向け(Direct to Consumer:DTC)の遺伝子検査サービスを提供する企業が顔を揃えた。

 同フォーラムは、関係企業や学会、政府関係者を集め、市場の育成や社会的な枠組み作り、一般向けの啓発などの在り方を議論、提言するための協議会。関係企業を会員とし、日経BP日経バイオテクが事務局を務める。同フォーラムでは、今後数回、協議会を開催し、2015年5月までに提言をまとめる予定。

 設立記念シンポジウムでは、DTCの遺伝子検査サービスを提供しているディー・エヌ・エー(DeNA)、エバージーン(東京・新宿、秋田正倫社長)、ヤフーの担当役員が講演を行ったほか、医療や創薬におけるゲノム情報の有用性についてエーザイのグローバル・ビジネス・ディベロップメントユニット プレジデントを務める鈴木蘭美上席執行役員、ゲノム情報解析の現状について東北大学情報科学研究科生命情報システム科学分野の木下賢吾教授が講演した。

 DeNAやエバージーン、ヤフーが提供しているのは、ウェブサイトなどで申し込みを行った購入者から送られてくる唾液や口腔粘膜からDNAを抽出し、チップなどで一塩基多型(SNP)を解析。太りやすさやアルコール代謝の強さといった体質、骨粗鬆症や動脈硬化などの疾患易罹患性の評価結果を購入者に返却するサービス。診断につながると医師法に触れる可能性などがあるため、基本的に単一遺伝子疾患や精神疾患のSNPなどを含まない解析結果を返却している。

 DeNA子会社のDeNAライフサイエンスは、SNP解析のための自社ラボを設け、2014年8月に「MYCODE」の販売を開始した。DeNAファウンダーの南場智子取締役は講演で、サービス立ち上げの経緯を説明するとともに、「疾患を発症する前の未病や健康な段階で個人をエンパワーメントしたい。その第一歩として、東京大学との共同研究の成果を基に、DeNAの責任で遺伝子検査サービスを始めた」と話した。

 講演では、3種類ある「MYCODE」のサービス内容を紹介するとともに、関係者や購入者などからの指摘を受け、遺伝性疾患と考えられるブルガダ症候群を対象から外すなど、サービスの改善を図っていると説明。南場取締役は「アンケートに回答があった購入者の43%において、結果を受けて健康を意識し行動に変化があったことが分かった。今後、行動変容を起こす購入者が増え、それが持続されるようにサービスを発展させていきたい」などと抱負を語った。

 女性向けの健康情報サービス「ルナルナ」などを展開するIT企業であるエムティーアイ子会社のエバージーンは、ジェネシスヘルスケア(東京・渋谷、デビット・バラン社長)と組み、2014年4月に「ディアジーン」を発売。同社の秋田正倫社長は、「9800円で癌や生活習慣病、生活習慣病の改善に役立つ体質など、27項目の解析結果を返却するサービスを行っている。ただ、解析するSNP数が少ないことや、行動変容につながっていなかった部分もある」と説明した。

 同社は2015年、サービスのリニューアルを計画しており、スタージェン(東京・台東、加来淳一社長)と組んで、学術論文の精査や解析技術の向上を含めた、サービスの改善を図る方針を明らかにした。また、今後は同サービスを、活動量や心拍などが測定できる指輪型のウェアラブル端末や、体組成計の測定結果などをスマートフォンで管理できる同社のサービス「karadafit」などと連動させ、「オーダーメードのヘルスケアを実現していきたい」(秋田社長)という。

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