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医療経済研究機構調べ、第1世代から第2世代への切り替え進む
認知症患者の5分の1に抗精神病薬が処方

 医療経済研究機構は11月5日、国内の認知症患者の5人に1人に抗精神病薬が処方されていることを報告した。これは2002年から2010年までの全国レセプト情報約1万5千件を解析して得られたもの。第1世代の抗精神病薬の処方割合は減少する一方で、第2世代は増加していることも明らかになった。

 多くの認知症患者では、妄想、幻覚、攻撃性などの行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)が見られる。これまで、非薬物的介入が困難なBPSDに抗精神病薬が使用される機会は多かった。だが近年、抗精神病薬の投与により死亡や歩行障害などの発現リスクが上昇することが示されたため、諸外国では警告や規制が行われ、世界的には抗精神病薬の処方は減少している。

 日本では、認知症患者への抗精神病薬投与に関する強い警告や規制はない。抗精神病薬、抗不安薬などを含めた向精神薬が国内認知症患者の何割に処方されているのかについては、これまで医師にアンケートをした程度の小規模な調査しかなく、全国的な実態は不明だった。

 医療経済研究機構研究部の奥村泰之氏らは、厚生労働省が実施した、毎年6月審査分の全国のレセプトを無作為抽出した社会医療診療行為別調査のデータを2次解析した。分析対象は、2002年から2010年までの同調査から、ドネペジル(商品名アリセプト他)が処方された65歳以上の外来患者、のべ1万5591人とした。

 その結果、2008~2010年にドネペジルが処方された認知症患者のうち、抗精神病薬が処方されていたのは21%で、2002~2004年と比較して1.1倍程度の微増傾向が認められた(図1)。

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