日経メディカルのロゴ画像

ウオッチ!2015介護報酬改定
中重度の要介護者への対応を評価する項目ずらり
厚労省が在宅サービスの報酬・基準見直し案を提示

 10月22日に都内で開催された介護保険部会・介護給付費分科会では、2015年度介護報酬改定に向け、報酬や基準見直しに関する各論の議論がスタートした。この日、厚生労働省が見直し案を提示したのは、訪問介護定期巡回・随時対応型訪問介護看護小規模多機能型居宅介護複合型サービス訪問看護――の5種類の居宅サービス。

 訪問介護では、在宅での中重度要介護者向けの支援を強化する観点から、いずれ定期巡回・随時対応型訪問介護看護に移行される予定の「20分未満の身体介護」に関する算定要件の見直しを提案(図1)。現行では算定要件がない夜間・深夜・早朝時間帯について、日中と同様に、要介護3以上で一定の要件を満たす場合のみ算定できる方針を示した。

 また、中重度の要介護者を重点的に受け入れ、かつ、人員基準を上回る常勤のサービス提供責任者を配置する事業者を加算で評価するため、新たに「特定事業所加算(IV)」を創設する考え。「前年度または前3カ月の利用者総数のうち、要介護3、4、5、認知症(日常生活自立度III以上)の利用者、痰の吸引などの行為が必要なものが一定割合以上」とする重度対応要件を設定する予定だ。

 リハビリテーション専門職との連携をさらに評価する方針も提示。現行では、リハビリ専門職の意見を踏まえた訪問介護計画書の作成を促進するため、訪問リハビリを行う際にサービス提供責任者が同行し、利用者の身体状況の評価を共同で行った場合に「生活機能向上連携加算」を算定できる。この対象を拡大し、通所リハビリのリハビリ専門職が利用者宅を訪問する際に同行した場合も算定を可能とする案を示した。

 「生活機能向上連携加算」の対象拡大について委員からは、「サービス提供責任者だけでなく、訪問看護事業所の看護師が同行しても算定対象としてはどうか」「自立支援に注力する通所介護事業所も増えていることから、通所介護も対象とすべき」といった意見が上がった。

定期巡回・随時対応サービスへの同一建物減算の導入も提案
 定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関しては、サービスをより普及させるための見直し案が提示された(図1)。利用者や事業者が訪問看護サービスを柔軟に選択できるように、一体型事業所における訪問看護サービスの一部を、他の訪問看護事業所に委託することを認める案を示した。

 また、夜間の人材を有効活用するため、夜間オペレーターの兼務要件の緩和や勤務体制の柔軟化も進めたい考え。現行では、夜間のオペレーターを担える職員は併設事業所の職員のみだが、同一敷地内または道路を隔てて隣接する同一法人が経営する他の施設・事業所の職員も担えるようにする方針。さらに、夜間のオペレーター機能は、利用者に必要な対応を行うのに支障がない場合には、複数の事業所の機能を集約して通報を受け付ける業務形態を認めることを提案した。

 ただしオペレーターの機能集約化については、具体的な範囲などは示されなかった。委員からは、「安全性を担保できるのか」「利用者や家族の状況を把握できる程度の規模なら、機能を集約してもよいのではないか」といった意見が上がった。

 そのほか、同一建物居住者へのサービス提供に関する減算ルールの導入も提示された。具体的な減算割合は、移動コストを考慮して決定するとし、他サービスも含めて減算ルールを改めて議論するとした。

この記事を読んでいる人におすすめ