日経メディカルのロゴ画像

成育医療センターがJ Allergy Clin Immunol誌に発表
新生児期の保湿がアトピー発症率を3割減に
アトピー発症と卵アレルギー発症との関連も示唆

 国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科医長の大矢幸弘氏(写真左)らは10月1日、新生児期からの保湿剤の塗布により、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが、成育出生コホート研究におけるランダム化比較試験(RCT)で示されたと発表した。この研究結果は、Journal of Allergy and Clinical Immunology誌に報告したもの。

 これまで、アトピー性皮膚炎や他のアレルギー性疾患の発症には、外部からの異物侵入を防ぎ、体内の水分蒸発を防ぐ「皮膚バリア機能」の低下が関係していることが示唆されていた。だが、これまでRCTでの解析はされていなかった。

 そこで大矢氏らは、両親もしくは兄弟に少なくとも1人以上のアトピー性皮膚炎の既往歴があり、アトピー性皮膚炎の発症リスクの高い新生児118人を対象に登録。1日1回保湿剤(2e[ドゥーエ])を全身に塗布するように指導した介入群(59人)と乾燥した局所のみワセリンを塗布した非介入群(59人)に割り付け、アトピー性皮膚炎の累積発症率を比較した。

 試験期間中は、倫理審査会の方針により、ワセリンは両群の乳児に処方された。介入群には、生後1週目から毎日の保湿剤の塗布をはじめ、32週にわたって毎日塗布を続けるよう指導を行い、日誌と処方した保湿剤の減少量から適切に塗布されているかを確認した。

 アウトカムは、生後32週目に参加者がどちらのグループに割り付けられたかを知らない皮膚科専門医が診断。アトピー性皮膚炎を、4週間以上続くかゆみや湿疹などの皮膚症状と定義し、評価した。

 主要評価項目であるアトピー性皮膚炎の累積発症率を示すカプランマイヤー曲線は図1の通り。32週間におけるアトピー性皮膚炎の発症者数は介入群が19人、非介入群28人となり、介入群が非介入群よりも有意に長い期間発症していないことが明らかになった(P=0.012)。また、Cox回帰分析でも、介入群で有意に発症率が低いことが示された(ハザード比は0.48[0.27~0.86:95%Cl])。

この記事を読んでいる人におすすめ