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【速報】改正介護保険法が成立
特養は要介護3以上、一定所得者の負担は2割に
通所介護は介護予防サービスを含めて大幅変更へ

 2014年6月18日に参議院本会議で与党などの賛成多数で可決した「医療介護総合確保推進法」(地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)。同法は社会保障・税一体改革の道筋を示したプログラム法に基づき、医療法介護保険法など19本の改正案をまとめた一括法である。法案成立を受け、2015年度介護報酬改定に向けた議論が本格化することになる。ここでは介護報酬改定に関係する介護保険法関連の改正内容について解説する。

予防訪問介護と予防通所介護が地域支援事業へ
 全体としては、地域包括ケアシステムの構築を目的とした市町村の権限強化と、持続可能な社会保障制度を確立するための費用負担見直しの二つが柱。大きな制度変更としては、介護予防サービスのうち介護予防訪問介護介護予防通所介護が、予防給付から地域支援事業の「総合事業」に移行する点が挙げられる。また、居宅介護支援事業者の指定権者を都道府県から市町村に移行する。

 介護予防訪問介護と介護予防通所介護の地域支援事業への移行については、2015年度から開始し、2017年度までにすべての市町村で完了する。2013年秋の社会保障審議会・介護保険部会では、市町村が主体となり、地域の実情に応じてこれらサービスを提供することを目的に、事業内容や人員基準などの設定を市町村の裁量とする権限強化の方針が示された。ただし、一方で同法には、地域支援事業の事業費の上限を「75歳以上の被保険者の数を勘案して設定する」とあり、中長期的な総費用額を抑制する意図もうかがえる。

 居宅サービスでは、通所介護の見直しが焦点。現行制度の小規模型通所介護を含む「一定の利用定員未満」の通所介護は、市町村を指定権者とする地域密着型サービスに移行される。現行制度の小規模型の基準は、前年度1カ月当たりの延べ利用者数が300人以下というもの。「一定の利用定員」を何人に設定するかは、今後の社会保障審議会・介護保険部会で議論して決定していく(小規模型通所介護事業所の経営に与える影響と将来予測を、日経ヘルスケア6月号リポート「激変間近! 転換求められる小規模デイ」に掲載)。

特養の入所は要介護3以上に限定
 施設サービスの見直しでは、特別養護老人ホームへの入所を原則として要介護3以上に限定。入所待機者が多い実情を改善するため、中重度者に重点化を図る。また高齢者住宅では、サービス付き高齢者向け住宅(サ付き住宅)住所地特例の対象となる。サ付き住宅の増加で介護保険財政が圧迫されることを市町村が懸念し、国に要望していた。一方で、住所地特例の対象者でも必要な介護サービスを受けられるよう、居住地の市町村の地域密着型サービスを利用できるようにする。現行制度では、住所地特例の対象者が定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスを利用できないという問題点があったため、その解消が図られた。

 介護サービス利用者の自己負担割合も見直される。一定以上の所得がある第1号被保険者(年金収入の場合、単身で年間280万円以上)の自己負担割合は、現行の1割から2割に引き上げられる。また施設サービス等を利用する低所得者に食住費の負担軽減などを目的に支給されている補足給付の受給要件として、所得要件のほかに預貯金や不動産などの資産要件が加えられる。

 改正介護保険法の施行は2015年4月1日。ただし、通所介護の見直しは2015年4月1日までの間で政令で定める日、また費用負担の見直しは前年所得の確定が夏になることから、2015年8月1日に施行される。居宅介護支援事業者の指定の市町村への移行については、施行は2018年4月1日となる。

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