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STAP問題で外部の改革委員会が提言書を発表
「理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターは早急に解体すべき」
小保方氏の再現実験への参加も求める

会見の様子。中央が委員長を務めた岸輝雄氏。

 STAP問題で再発防止策を検討していた理化学研究所の「研究不正再発防止のための改革委員会」(委員長は新構造材料技術研究組合理事長の岸輝雄氏)は2014年6月12日、「研究不正再発防止のための提言書」を発表した。STAP問題の背景には、「研究不正行為を誘発したり、研究不正行為を抑止できない組織の構造的な欠陥があった」と指摘し、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の早急な解体やCDB上層部の刷新を求めた。

 STAP細胞に関しては、Nature誌に発表された2報の論文の1報について、理研内部の調査委員会が2点を研究不正行為と認定。それを受けて理研は2014年4月4日、理事長を本部長とする「研究不正再発防止改革推進本部」を設置した。改革委員会は、その同改革推進本部の下に設けられた組織。委員を務める6人は、すべて外部有識者で構成されている。

 改革委員会はこれまで、全11回の会合を開き、研究不正行為が発生するに至った状況とその背景について事実関係を整理した上で、研究不正行為を防げなかった理由や、疑義発生後の理研の対応が適切であったかなどについて検討。今回の提言書をとりまとめた。

 提言書では、CDB研究ユニットリーダーの小保方晴子氏以外も含めた関係者の厳しい処分や、CDBの早急な解体と新組織における上層部の刷新、2報の論文についての論文全体の検証、小保方氏を含めた形での再現実験の実施などを求めるとともに、外部有識者で構成される新たな監視委員会を設置し、提言書に基づく改革の実行状況をモニタリングすべきとした。

 会見で岸氏は、「最終的には理研と野依良治理事長が判断すべきことではあるが、ここまでの問題が起きた以上、CDBは一度解体して出直すことが要求されると思う」と指摘。出直しの時期については、「今年度中に解体し、来年度スタートするというぐらいが普通なのではないか」(岸氏)と述べた。記者からは、「CDBの解体は、かなり厳しい提言では」との質問が出たが、それに対して岸氏は「我々から見ると、リーズナブルな内容だ」とコメントした。

 また、小保方氏を再現実験に参加させるべきだとしたことについては、「『STAP現象がある』と主張している小保方氏を参加させない限り、『ない』と結論するのは難しいだろう。そもそも現在行われている再現実験ではテラトーマの形成能まで評価しない計画であるなど、論文と同じプロトコルではないので、同一プロトコルで小保方氏を加えて改めて再現実験を行うべきだ」(岸氏)と主張。再現実験の状況や、改革の実行状況に関しては、外部有識者からなる新たな監視委員会がチェックする体制を作るべきだとした上で、岸氏は「理研には、STAP問題を乗り越えて、飛躍してほしい」と期待を口にした。

 提言書の主な内容は以下の通り。

 まず、改革委員会がSTAP問題が生じた原因として列挙したのは、(1)小保方氏の杜撰な採用経緯、(2)論文作成に当たっての研究成果の検討の不十分さ、(3)小保方氏の研究データの記録・管理の杜撰さ、(4)CDBにおける実験データの記録・管理システムの不備、(5)CDBの組織としての構造的欠陥、(6)理研の研究不正防止への取り組みの不遵守、(7)理研の研究不正防止への認識不足、(8)理研のガバナンス体制の脆弱さ――という8項目。いずれもSTAP問題を起こした背景に、組織全体の問題があると指摘している。

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