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第三者調査により、臨床研究への深い関与が明らかに
ノバ社「元社員によるデータ操作の証拠はなかった」

会見冒頭、社長らが1分以上にわたり頭を下げた。

 ノバルティス ファーマは7月29日に会見を開き、同社の元社員が関与したとされる医師主導の臨床研究における第三者調査の結果を公表した。調査の結果、元社員は度合いは異なるものの、Jikei Heart StudyKYOTO HEART Studyなどバルサルタンに関する5つの臨床研究に関与しており、一部の研究では入力されたデータの入手も可能だった。ただ、この社員がデータを操作したかどうかを示す証拠はなかったという。同社社長の二之宮義泰氏は、「真相を完全に解明できたとは思っていない。今後はあらゆる調査に全面的に協力して真相解明に当たり、再発防止を徹底したい」と陳謝した。

 調査はスイス本社の委託により、モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所 伊藤 見富法律事務所(外国法共同事業事務所)が実施した。元社員やその上司、その他の社員への聞き取りや関連部署の文書、電子メールなどを調査した結果、Jikei Heart Study、VART、KYOTO HEART Study、SMARTNAGOYA HEART Studyの5つの研究への関与が明らかになった。元社員は研究デザインやデータ割り付け方法の開発、研究事務、統計解析、論文執筆などに参加したほか、Jikei Heart Study、KYOTO HEART Studyではイベントの判定を行うエンドポイント委員会にも出席していた。SMARTには、元社員の部下も関与していた。

 元社員はKYOTO HEART Studyでは固定前のデータを入手可能であり、実際に入手していた。Jikei Heart Study、SMART、NAGOYA HEART Studyでは固定後のデータを入手可能であり、また安全性委員会などの委員会に出席していたことから固定前のデータも入手可能だったことが示唆された。

 さらに、元社員が月例報告書を提出していたことから、元社員の上司も研究への関与を認識していたことが明らかになった。

 これらの調査により、一部の臨床研究では元社員が研究デザインから解析に至るまで深く関与していたことが明らかになった。しかし、第三者による調査結果は、「元社員がデータを意図的に操作したり、捏造、改ざんを行ったことを示す事実は認められなかった。上司がノバルティス ファーマに有利な結果を出すためにデータを操作するよう指示した事実も認められなかった」と結論付けた。

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