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KYOTO HEART Studyのデータ操作で臨床研究適正評価教育機構が会見
「研究者のスキル不足が不正入り込む余地を与えた」

J-CLEAR理事長の桑島巖氏。

 臨床研究適正評価教育機構J-CLEAR)は7月20日に会見を開き、KYOTO HEART Studyの解析用データで人為的な操作が明らかになったことに対し、機構としての見解を明らかにした。理事長の桑島巖氏は、「研究者に臨床研究のスキルがないために、不正が入り込む余地を与えてしまった。データを管理する立場にあった総括責任医師の責任は極めて重い」と強い口調で話した。

 KYOTO HEART Studyに関しては、京都府立医大が7月11日に会見を開き、エンドポイントの発生数が人為的に増減されていたことを公表している(関連記事:KYOTO HEART Studyのデータ操作が明らかに)。カルテの記録と解析用データを比べた結果、主要エンドポイントに設定した複合イベントの発生数が、バルサルタン群では少なく、対照群では多くなるように操作されていた。具体的には、カルテで「イベントなし」とされた症例を解析用データで「イベントあり」としたケースがバルサルタン群で4例、対照群で20例、カルテで「イベントあり」とされた症例を解析用データで「イベントなし」としたケースがバルサルタン群で9例、対照群で1例確認された。

 臨床研究では一般に、カルテで「イベントなし」とされた症例は、エンドポイント委員会には報告されない。このため、エンドポイント委員会が「イベントなし」とされたものを「イベントあり」と修正することはできない。今回は「イベントなし」を「イベントあり」とした操作が24例認められたことから、桑島氏は「エンドポイント委員会が操作した可能性は低く、エンドポイント委員会の判定後、あるいは解析前の別のタイミングで改ざんが行われた可能性が高い」と考察。また、ノバルティス ファーマの元社員が研究グループとエンドポイント委員会の事務連絡係を担っていたことから、「元社員は事務連絡係としてイベント報告の内容を知り得る立場にあり、データ操作への関与が最も疑われる」とした。

 さらに桑島氏は「臨床研究は保険診療で行われている。不正な方法で行われた臨床研究に要した保険診療による国庫負担医療費、患者負担分などは、ノバルティス ファーマが返納すべきではないか。また、国は刑事告訴も考慮すべきだ」と訴えた。

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