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日本肝臓学会総会から
シメプレビルを含む3剤併用で未治療C型慢性肝炎の著効率は約9割
CONCERTO-1試験の結果

 経口のC型慢性肝炎治療薬であるシメプレビル(承認申請中)、ペグインターフェロンαPEG-IFNα)-2a、リバビリンの3剤併用により、未治療のC型慢性肝炎に対する著効率は88.6%に達することが明らかになった。6月6日の第49回日本肝臓学会総会で、関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)院長の林紀夫氏が発表した。

 シメプレビルは、C型肝炎ウイルスHCV)のNS3/4A領域のセリンプロテアーゼを阻害し、HCVの増殖を抑制する。日本では2011年11月に同様の作用機序を有するテラプレビル(商品名テラビック)が発売されており、シメプレビルは第2世代のプロテアーゼ阻害薬と位置付けられている。用法は、テラプレビルの1日3回に対し、シメプレビルは1日1回となっている。

 林氏らは、未治療の遺伝子型1aまたは1bのC型慢性肝炎患者を、シメプレビル、PEG-IFNα-2a、リバビリンを用いるシメプレビル群と、プラセボ、PEG-IFNα-2a、リバビリンを用いるプラセボ群に割り付け、著効率を比較するランダム化比較試験(RCT)の「CONCERTO-1」を実施。HCV-RNA量が5.0 Log IU/mL以上の20~70歳の患者を対象とし、シメプレビル群に123人、プラセボ群に60人をランダムに割り付けた。肝硬変や肝不全のある患者などは除外した。

 C型慢性肝炎に対するIFNを含む治療は、患者のIL28B遺伝子多型がTT(メジャー)の場合に著効率が高く、TG、GG(マイナー)の場合は著効率が低くなることが分かっている。このため、患者のIL28B遺伝子多型によって層別割り付けを行った。

 シメプレビル群はシメプレビル、PEG-IFNα-2a、リバビリンを12週投与。4週時点のHCV-RNA量が1.2 Log IU/mL未満または陰性化、あるいは12週時点でHCV-RNAが陰性化していた場合は、PEG-IFNα-2aとリバビリンをさらに12週、それ以外の場合は36週投与した。プラセボ群はプラセボ、PEG-IFNα-2a、リバビリンを12週投与後、PEG-IFNα-2a、リバビリンを36週投与した。

 主要評価項目は、投与終了時および投与終了後12週までHCVが持続的に陰性化(sustained virological response:SVR)した患者の割合とした。

 ベースラインにおいて、65歳以上の高齢者の比率、遺伝子多型の比率、HCV-RNA量などに両群間で差はなかった。

 シメプレビル群は92.7%(123人中114人)が、プラセボ群は75.0%(60人中45人)が治療を完遂。シメプレビル群のうち、113人は24週で治療完了し、48週で治療完了したのは1人だった。治療中止の理由は、有害事象や同意の撤回などだった。

約9割がSVR24を達成
 主要評価項目であるSVR12の達成率は、シメプレビル群で88.6%、プラセボ群で61.7%で、シメプレビル群で有意に高かった(P<0.0001)。副次評価項目であるSVR24は88.6%と56.7%だった(P<0.0001)。「HCV-RNAがいったん陰性化したものの、治療後の観察期間に再び検出した場合」と定義される再燃は、シメプレビル群の7.6%、プラセボ群の30.6%に見られた。また、「HCV-RNAが投与期間中の最低値に比べて1.0 Log IU/mLを超えて増加した場合」などと定義されるBreakthroughの発生は、シメプレビル群で0.8%、プラセボ群で3.3%だった。

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