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改定後初の中医協・薬価専門部会が開催
先発品と後発品の価格差めぐる議論がスタート

2012/06/09
最上政憲=医療ライター

厚生労働省が6月6日に開催した中医協・薬価専門部会の専門委員。

 「長期収載品と後発品が同様の価格レベルになれば、安全性に疑念なく使える状況が生まれる」「先発品と一口に言っても、コストという面からひとくくりにできない」──。後発品のある先発品(長期収載品)と後発品との価格差を是正しつつ、後発品の使用を促進するための検討が、厚生労働省の中央社会保険医療協議会中医協)で始まった。

 6月6日、2012年度の診療報酬改定後、初となる中医協・薬価専門部会が開催され、厚労省が今後の検討スケジュール案を示した(資料1)。それによると、7月に「先発品と後発品の価格差要因」などの資料に基づき議論した後、今秋から冬にかけて「中間まとめ」を行い、その後、次期薬価制度改革に向けた議論に入る。このスケジュールに委員から反対意見は出なかった。

 「今後の議論に向け必要な資料・情報項目(案)」も大筋で了承された。次回以降、▽ 先発医薬品と後発医薬品の価格差要因、▽ 医薬品のライフサイクルの中での企業としての開発コスト回収、利益確保の実態等、▽ 諸外国における後発医薬品シェア、先発医薬品と後発医薬品の価格差等の状況、▽ 諸外国における長期収載品に係る価格施策や後発医薬品使用促進策──などの資料が厚労省や製薬業界代表から示され、それに基づいて議論が進められる。

 また厚労省は、昨年9月の薬価調査に基づき、先発品と後発品の市場シェアを同部会で示した(資料2)。それによると、先発品のうち「後発品なし」(1978品目)の数量シェアは19.1%、金額シェアは47.9%で、先発品で「後発品あり」(1518品目)はそれぞれ34.3%、35.2%。一方、後発品(7562品目)は22.8%、8.8%だった。厚労省は、後発品のある先発品の数量シェア34.3%を後発品の同22.8%に移行させ、後発品の数量シェアを増やしていきたい考え。
 
 しかし、中医協では「先発品と後発品の価格差をどう考えるか」という問題がいまだに決着していない。後発品のある先発品の価格を引き下げて後発品の価格と同等にすると、「先発品より安い」とされる後発品の使用が進まなくなるとの指摘が従来からある。

 「後発品は品質などに不安がある」との意見に対し厚労省は、「先発品と後発品は品質、有効性、安全性の面で同等」としている。そのため、「品質などの面で同等ならば価格も同等にすべき」との意見がある一方で、厚労省は「情報量、供給、販売方法など先発品と後発品とは役割・機能が異なり、それに応じた価格差がある」という製薬業界側の主張を引用して現在の価格差を説明している。

「安全性に疑念なく使える状況が生まれる」
 京都府医師会副会長の安達秀樹氏は意見交換の冒頭、10年度と12年度改定で実施された「長期収載品の追加引き下げ」について質問した。厚労省薬剤管理官の吉田易範氏は、2.2%(10年度)、0.86%(12年度)の追加引き下げ分を改定財源に含めていないことを認めた上で、「市場実勢価に基づく適正化は医療機関の収入財源の確保という性格があるが、追加引き下げは後発品の使用が政府目標に達していなかった部分の企業負担分なので性格が違う」と理由を説明した。

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