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第226回 中央社会保険医療協議会(中医協)総会
DPCデータ提出遅れの病院名公表めぐり紛糾
「悪意がある」「確信的ミス」の発言に病院代表が激怒

2012/06/07
最上政憲=医療ライター

厚生労働省が6月6日に開催した中医協総会の診療側委員ら。

 厚生労働省は、6月6日に開催した中央社会保険医療協議会中医協)総会で、DPCデータの提出が遅れた病院名を一覧表の形式で報告した。これに対し、病院団体の代表は「ほとんどがケアレスミスなので総会で発表するのはやりすぎだ」などと抗議したが、「確信的なミスの可能性もある」といった反論もあり、議論は紛糾した。

 厚労省が総会に示したのは「DPCデータ提出の現状について」と題する資料で、昨年6月から今年4月にかけてデータ提出の遅延があった95件の内訳など(資料1)。本資料によると、データ提出が遅れた原因として最も多かったのは、「提出日超過」で48件。次いで、「データ提出不備」30件、「提出方法不備」17件だった。1カ月当たりの件数は4~14件の間で推移しており、2012年は8件(1月)、14件(2月)、9件(3月)、12件(4月)だった。遅延した病院は、提出月の翌々月に「データ提出加算 I 」を1カ月間算定できない。

 こうした状況について厚労省は、既に5月29日の中医協・DPC評価分科会に報告済みで、報告された遅延理由や件数などに変わりはない。ただ、同日の分科会では「複数回提出遅延のあった病院」の名前を「A病院」「B病院」「C病院」としていた(資料2)が、総会に提示した資料では、「医療法人社団 恵心会 京都武田病院」「なめがた地域総合病院」「社会福祉法人恩賜財団済生会支部福岡県済生会大牟田病院」と病院名を明示。さらに、DPCデータの提出が遅延したことのある92の病院名リストも新たに公表した。

 総会で厚労省企画官の迫井正深氏は、「DPC制度の対象施設などから実績データを頂いて様々な対応をしているので、前提となるデータを適切に提出してもらう必要がある」と制度の目的を説明した上で現状を報告した。病院名を総会で明らかにした理由については、「データ提出の方法や手順などを守っていただけない事例が散発的にあり、時間の経過とともに減少しないので、我々としては関係医療機関に改めて注意喚起をしたいと思い、今回こうしてご報告した」と説明。これに全日本病院協会会長の西澤寛俊氏が不満を表した。

「総会で病院名を出す必要があるのか」
 西澤氏は、「決められたことを守らないのは問題なので周知徹底するのは賛成だ」としながらも、「ほとんどがケアレスミスで、2回以上の遅延は3病院しかない」と指摘。「中医協の総会で、病院名をプリントアウトしたものを出す必要があるのか疑問だ。ここまでやらなくてもいいのではないか。見たければ(厚労省のホームページに)見に行くことはできる。総会で示したのは、どういう考えからか」と厚労省側にただした。

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