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機能評価係数IIの比率をめぐり激論
DPC制度見直しの議論がスタート
「基礎係数の割合が非常に大きい」と不満も

2012/05/30
最上政憲=医療ライター

5月29日に開かれた中医協のDPC評価分科会

 「III群に入った病院の不満がかなり報道されている」「なぜあの数字になるのか分からない」─。今改定でDPC病院をI群(80施設)II群(90施設)、III群(1335施設)の3つにグループ化したことに伴い、III群に分類された民間病院の院長らが厚生労働省の会議で不満の声を上げた。

 この会議は、厚労省が5月29日に開催した中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会。厚労省は同分科会で、「DPC制度に関する今後の検討案」や調査スケジュールなどを示した。機能評価係数IIと基礎係数の議論を急ぎ、今秋までに基本方針を取りまとめるとしている(資料1:DPC制度に係る今後の検討案)。

 機能評価係数IIは、前年度並みの収入実績を保証する調整係数の段階的廃止に伴い前回改定から導入された。今改定では、新たに医療機関群ごとに基礎係数が設定され、I群(大学病院本院)は1.1565、II群(高診療密度病院)が1.0832、III群(その他)は1.0418となっている。民間病院の多くは「その他」としてIII群に属している。

 厚労省によると、III群の中で機能評価係数IIが最も高いのは美原記念病院の0.0382で、同病院の院長を務める美原盤氏がこの分科会に委員として参加している。美原氏は同日の分科会で、次期改定に向け機能評価係数IIの比重を高めていくことを要望したが、座長を務める東邦大医学部外科学講座教授の小山信彌氏と激論になった。厚労省企画官の迫井正深氏は「計算方法や考え方を整理した上で、改めてご議論いただきたい」とまとめた。

「なぜあの数字になるのか分からない」
 今改定後、DPC病院の診療報酬の包括評価部分は「診断群分類ごとの1日当たり点数×医療機関別係数×在院日数」で計算され、「医療機関別係数」は、「暫定調整係数+基礎係数+機能評価係数I+機能評価係数II」となった。このうち機能評価係数IIは、重症患者の受け入れや救急医療への取組みなど各医療機関の努力によって差を付けるという方向でこれまで議論されてきたが、ふたを開けてみても分からない状況にある。

 議論の口火を切ったのは、日本医師会常任理事で総合病院東香里病院理事長の三上裕司氏。「最近、III群に入った病院の不満がかなり報道されている。II群とIII群を分ける線をどう引くのかという議論をしていただきたい。基礎係数については算定根拠があるが、線の引き方については根拠がはっきりしない」と指摘した。

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