日経メディカルのロゴ画像

全日病が調査、「必要」だが認知度低く
終末期ガイドライン、現場への普及進まず

 終末期ガイドラインは必要だが、知っているものも利用しているものもない―。全日本病院協会全日病)が病院などを対象に実施した調査で、終末期ガイドラインが普及していない実態が明らかになった。

 全日病は2011年度、病院や介護保険施設などを対象にアンケートを実施。そのうち病院(427カ所)、介護老人福祉施設(325カ所)、介護老人保健施設(200カ所)、介護療養型老人保健施設(32カ所)、グループホーム(638カ所)、訪問看護ステーション(319カ所)の合計1941カ所から回答を得た(回収率27%)。同時に、各施設に所属する職員(医師、看護師、介護士など)、患者の家族に対してもアンケートを行い、職員7869人、家族5215人から回答を得た(回収率は22%、15%)。

 終末期ガイドラインの必要性について施設ごとに聞いたところ、「あった方がいい」と答えたのは、病院(409カ所)の62.8%、介護保険施設(546カ所)の73.4%、グループホーム(625カ所)の71.4%、訪問看護ステーション(318カ所)の67.6%。医療や介護の現場で広く終末期のガイドラインが求められている実態が明らかになった。

 射水市民病院(富山県)の呼吸器外しなどがきっかけとなり、関係学会および団体は相次いで終末期ガイドラインを整備した。06年には日本集中治療医学会が「集中治療における重症患者の末期医療のあり方についての勧告」を、07年には厚生労働省が「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を発表。その後も日本医師会や日本救急医学会、全日病などが終末期についてガイドラインを策定した。

 しかし、これらのガイドラインが医療や介護の現場には普及していない。既存の終末期ガイドラインを知っているか、職員に聞いたところ、「知っているガイドラインは特にない」と答えたのは、病院職員(1870人)の64.1%、介護老人福祉施設職員(1347人)の74.3%、介護老人保健施設職員(812人)の75.5%、介護療養型老健職員(149人)の75.6%、グループホーム職員(2348人)の79.9%、訪問看護ステーション職員(1326人)の68.2%に上った。厚労省のガイドラインの認知度は比較的高かったものの、「知っている」のは病院職員(1870人)の19.6%が最高だった(表1)。

この記事を読んでいる人におすすめ