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【速報】2012年度診療報酬改定
医療者の負担軽減、在宅医療推進などに手厚く配分
引き上げ要望が強かった再診料は据え置き

2月10日に開催された中医協総会で、答申書を藤田一枝政務官に手渡す森田朗中医協会長。

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会中医協)は、2月10日に総会を開き、2012年度診療報酬改定の答申を取りまとめた。

 今改定で、診療報酬本体の引き上げに当てる約5500億円のうち、医科に振り向ける分は約4700億円。これを「負担の大きな医療従事者の負担軽減」(1200億円)、「医療と介護等との機能分化や円滑な連携、在宅医療の充実」(1500億円)、「がん治療、認知症治療などの医療技術の進歩の促進と導入」(2000億円)の3分野に配分する。

 総会終了後の記者会見で、診療側委員は、東日本大震災の影響を受け、社会経済情勢が厳しさを増す中でのプラス改定を評価。「今回の改定項目が今後の医療提供体制の質の向上に寄与する内容になったと考えている」と述べた。一方、再診料や入院基本料の見直し、複数科受診の再診料のさらなる評価、いわゆるドクターフィー導入の是非の検討などを次回改定の課題に挙げた。

 これに対して支払い側委員は、「保険者の財政状況が逼迫している中、プラス改定となったことは残念」としながらも、今改定で行われる7対1一般病棟入院基本料の算定要件の厳格化や、亜急性期入院医療管理料と回復期リハビリテーション病棟入院料の報酬体系の整理などに触れ、「医療費の適正化・効率化に一定程度切り込めた」と評価。今後は、今改定項目の効果の検証を行うとともに、診療明細書の無料発行の取り組みを促進するなど、患者から見て分かりやすい医療の提供を引き続き求めていくとした。

「時間外対応加算」は1、3、5点の3段階
 答申では、2011年末に厚労省の社会保障審議会がまとめた「改定の基本方針」(関連記事:2011.12.2「2012年度診療報酬改定の基本方針固まる」)を基に、個別の改定項目を示した。

 外来医療に関しては、診療側からの要望が強かった再診料の引き上げは見送られた。一方、電話などによる患者の問い合わせに、標榜時間外も対応している診療所が初・再診料に加算できる地域医療貢献加算は、名称を「時間外対応加算」に変更し、3段階に再編した上で一部を手厚く評価。患者からの問い合わせに24時間応じる体制を整えていれば時間外対応加算1(5点)、準夜帯に対応すれば時間外対応加算2(3点)、近隣の医療機関と連携して(計3施設以下での連携とする)当番日の準夜帯に対応すれば時間外対応加算3(1点)を算定できる。

 また、診療側委員がかねてから要望していた、「同一日に複数の診療科を受診した場合の再診料」を一部見直し。現行、2科目以降は算定不可の扱いだったが、患者が自らの意思で複数の診療科を受診した場合、2科目の再診料および外来診療料として34点を算定できるように改める。

「在支診・在支病」を、取り組み実績と人員配置で2段階評価
 「改定の基本方針」で重点課題に挙げていた在宅医療の機能強化については、(1)常勤医師3人以上、(2)過去1年間の緊急の往診実績が5件以上、(3)看取り実績が2件以上―といった条件を満たす在宅療養支援診療所(在支診)と在宅療養支援病院(在支病)を「機能を強化した在支診・在支病」として評価を新設。従来型の在支診・在支病の往診料が緊急加算650点、夜間加算1300点、深夜加算2300点であるのに対し、機能を強化した在支診・在支病(病床を有する場合)の緊急加算を850点、夜間加算1700点、深夜加算2700点と手厚く評価する。

 また、看取りの充実のため、これまでは終末期医療から看取りまでを提供して初めて算定できた在宅ターミナルケア加算(在支診・在支病の場合10000点)を、「ターミナルケア加算」と「看取り加算」の2つに分け、別々に算定できるように改める。これも、機能を強化した在支診・在支病(有床)の方が通常の在支診・在支病より高い点数(ターミナルケア加算6000点、看取り加算3000点)とする。

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