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臨床腫瘍薬学研究会が初のセミナーを開催
癌化学療法に薬剤師パワーを結集

2011/06/08
小崎丈太郎=日経メディカルCancerReview

会長の遠藤一司氏は国立がんセンター東病院(現国立がん研究センター東病院)の薬剤部長の経験者。

 癌化学療法の中心が、入院から外来にシフトするにつれて、病院薬剤師のみならず地域の薬局薬剤師の働きも重要視されるようになってきた。ところが、特殊な薬剤が多い癌化学療法について薬局薬剤師が交流、研さんする場が少なく、癌化学療法における薬剤師間の情報ギャップの拡大が問題となっている。

 そういった情報ギャップの解消を目的とし、臨床腫瘍薬学研究会(http://www.jaspo.umin.ne.jp/)がこのほど発足した。癌化学療法を専門とする薬剤師と一般薬剤師の情報共有、新しい臨床研究による情報発信を目指す。その最初のセミナーが、6月25日(土)と26日(日)、明治薬科大学(東京都清瀬市)で開催される。

 同研究会会長の遠藤一司氏(明治薬科大学医薬品安全管理学教授)は、「患者が自宅で抗癌剤を服用するケースも増え、適正使用や副作用のケアを、専門薬剤師だけでカバーすることはできなくなっている。一般病院の薬剤師や薬局の薬剤師の癌治療への参加が必要な時代が来たといえる。所属にかかわらず、広く薬剤師の方々に参加してほしい」と語る。

化学療法の外来シフトが招く情報のギャップ
 最近の癌化学療法の傾向としては、(1)治療の場が入院中心から外来中心へと移行、(2)注射薬に加えて経口薬が増えてきた、(3)薬効が高い半面、多彩な副作用を持った新薬が登場、(4)鎮痛薬や制吐薬などの支持療法薬の増加、(5)患者個人の体質に合わせて最適な処方を目指す個別化医療の登場――などが挙げられる。

 薬剤の用法用量の設定が以前よりも複雑精緻になっていることに加え、治療の現場が医療スタッフの目が十分届きにくい自宅や職場に移行し、そのための不都合も目立ってきた。

 用法用量の設定は、同じ薬剤で複数の種類があるものがあり、患者自身が十分理解していないと、正しい服薬がままならなくなっている。病院から出された薬剤を自宅で服用していて、わずかな副作用を理由に勝手に自己判断してしまう例、副作用に対して有効な対応策があるにもかかわらず、十分な対応や指導が行われず治療中断を余儀なくされる例も珍しくない。

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