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災害対策本部や被災地医療機関の医師が講演
ここがダメだった、東日本大震災の医療支援

 6月3日、札幌市で開催された第14回日本臨床救急医学会総会の特別企画「東日本大震災特別報告会」において、岩手県の災害対策本部で指揮を執った岩手医科大学附属病院岩手県高度救命救急センターの秋冨慎司氏と、宮城県災害医療コーディネーターでもある石巻赤十字病院の石井正氏が講演し、震災対応で直面した様々な課題について報告した。

 秋冨氏は、岩手県庁の災害対策本部の医療班で、DMATの活動や被災した医療機関、避難所の医療を支援した。岩手県では震災後3日間で沿岸部に設けられた避難所は350カ所、被災者は約5万人に上った。

 岩手県は県の中央を南北に走る北上山地が、内陸部と沿岸部を隔てている。東日本大震災では沿岸部が大きな被害を受けたため、災害対策本部は被災を免れた沿岸部の病院や内陸部の病院において病床を確保することが急務と判断。災害拠点病院に医療班や医療物資を投入する一方で、沿岸部で被災した患者や入院患者を受け入れるため、盛岡市や北上市、一関市など内陸部の医療機関に空きベッドを確保した。

 しかしその後、宮城県気仙沼市から数百人の患者を受け入れなければならなくなり、一関市や北上市の医療機関ではベッドコントロールができなくなってしまったという。こうした経験から秋冨氏は「今後は、近隣県への対応を含めて考えていかないといけない」と話した。

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