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筑波大精神看護学グループが惨事ストレスを調査
救急の医師の1割、看護師の2割がPTSDハイリスク

 ドクターヘリやドクターカーを有する3次救急病院に勤務する医師の10.5%、看護師の19.1%が、心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)のハイリスク者であることがわかった。筑波大学大学院人間総合科学研究科精神看護学准教授の三木明子氏らが全国の26病院を対象に、救急医療に従事する医師・看護師の惨事ストレスを調査した。

 三木氏は、「惨事に直面した際のストレスについては従来、甚大な被害を受けた人や大火災の消火に当たった消防職員などを対象にした研究が主で、医療従事者に関するものは少なかった。今回の調査で、悲惨な現場に直面することの多い救急領域の医療従事者も、大きな精神的ストレスを受けている実態が明らかになった」と話す。

 調査は2011年1~3月に実施。ドクターヘリを有する24病院とドクターカーを有する2病院に勤務する医師・看護師に無記名の質問用紙を配布して行った。回答率は医師が53.6%(有効回答143人)、看護師が85.4%(同351人)。平均年齢は医師が36.9歳、看護師が36.6歳、現部署での平均勤務年数は医師が4.2年、看護師が4.3年だった。

 救急時に携わった症例で精神的な衝撃を受けた出来事としては、医師、看護師ともに「小児の心肺停止」(医師37.8%、看護師46.4%)、「交通事故の外傷」(36.6%、54.8%)、「縊死による自殺」(25.2%、35.7%)が上位を占めた(図)。「小児の事故では、惨状を目の当たりにした親が取り乱したりすることが多く、その分、医師や看護師は自責感をより強く抱くのではないか。交通外傷は傷害のひどさが大きな衝撃を与えるのだろう」と三木氏は分析する。

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