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梅毒、新規エイズ患者の報告数は増加が続く
日本では主な性感染症の報告数が減少傾向に

 日本では、主な性感染症STD)が減少傾向にある。京都大健康医学系社会疫学教授の木原正博氏らが厚生労働省が定点観測している性感染症のデータを基に解析したところ、例えば2008年の淋菌の報告数は、ピークである2002年に比べて半減。性器クラミジアも、約30%減少している(図)。なお、定点観測の対象となっているSTDは、淋菌、性器クラミジア、性器ヘルペスウイルス尖圭コンジローマで、梅毒HIVは実数報告となっている。

 木原氏は、「先進国の中で、日本以外にSTDが減少している国はまずない」とし、加えて、人工妊娠中絶数が減少している点を指摘。特に30歳以下の若年層で、STDや人工妊娠中絶数の減少が顕著だという。その理由について同氏は、「日本の若年層の性行動自体は米国の若年層に比べると無防備ではあるが、性経験率が減少しており、その影響が大きいのではないか」と分析する。

 一方、日本においては、梅毒の患者数は増加している(図)。木原氏はその背景として、男性同性愛者間で感染が広がっている可能性に言及。「欧米では、2000年以降、大都市を中心に複数の梅毒患者が発生するアウトブレークが報告されている。そのようなアウトブレークで報告された梅毒感染者の7~8割は男性同性愛者で、かつ約半数がHIV陽性者でもあった。同様のことが国内で生じている可能性がある」という。HIVはオーラルセックスでは感染しないが、梅毒はオーラルセックスで容易に感染する。

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