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日本政策投資銀行の調査より
日本の医療ツーリズムの潜在市場規模は2020年時点で約5500億円
経済波及効果は約2800億円と試算

 日本政策投資銀行はこのほど、「進む医療の国際化~医療ツーリズムの動向~」と題したリポートを発表した。2020年時点での潜在需要としては、日本に医療目的で渡航するツーリストは年間43万人、観光を含めた市場規模は約5500億円、経済波及効果は2800億円を期待できると試算している(表1)。

 医療を受ける目的で海外へ渡航する「医療ツーリズム」の受け入れは現在、約50カ国で実施されている。2008年時点での渡航者数は年間600万人程度と推計されており、市場規模は、2012年には1000億ドルまで拡大すると見込まれている。

 日本でも医療ツーリズムの振興支援に向けた動きが活発化しつつあり、昨年12月に閣議決定された「新成長戦略」では、医療・介護・健康関連産業のアジアなど海外市場への展開促進が盛り込まれた。経済産業省・観光庁は検証事業を行っており、外務省などでは「医療ビザ」の新設を検討している。

 今回のリポートの試算値は、中国・ロシアの富裕層における日本での受診ニーズや、米国人の医療を目的とした渡航実績などをベースに算出したもの。潜在的には、2020年時点で中国は31.2万人、ロシアは5.4万人、米国は5.9万人のニーズがあると予測している。

 また、医療ツーリストを受け入れる際の課題としては、医療従事者および医療事務にかかわるスタッフの多言語対応、通訳の育成、海外からの患者向けの医療保険の不足、情報発信のあり方、医師不足―などを指摘した(表2)。

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