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日本の変形性関節症患者は膝2500万人、腰椎3800万人
3000人のコホート調査から推定、メタボとも強い関連

表1 日本の骨関節疾患の推定患者数(ROADプロジェクトにおける有病率から、40歳以上)

 高齢者の健康寿命に大きく影響し、引いては要介護状態への大きなリスクと目されている変形性膝関節症(膝OA)の日本における患者数は2530万人(男性860万人、女性1670万人)、変形性腰椎症(腰椎OA)では3790万人(男性1890万人、女性1900万人)と推定されることが明らかになった(表1)。日本の3地域3000人以上の住民を対象としたROAD(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability)プロジェクトのベースライン調査から得られた結果で、東京大学医学部附属病院22世紀医療センターが開いた6月30日の記者会見で、関節疾患総合研究講座准教授の吉村典子氏が報告した。

 ROADプロジェクトは一般住民における骨関節疾患の全体像と予後を追跡する大規模コホート調査で、2005年にスタートした。対象とした地域は東京都板橋区(都市部コホート)、和歌山県日高川町(山村部コホート)、和歌山県太地町(漁村部コホート)の3地域で、参加した住民は3040人。ベースライン調査として、直接聞き取り調査(身体状況、QOL、WOMACなど400項目以上)、問診・診察(全身および局所所見、認知機能、BMDなど)、X線写真撮影(膝、腰椎、股関節)、血液・尿検査とゲノム解析用検体採取を行い、臨床情報とゲノム情報を統合するデータベースを構築した。

 ベースライン調査の結果、対象地域における骨関節疾患の有病率が明らかになった。変形性関節症(OA)の基準をX線写真におけるKellgren Lawrence(K-L)グレード2以上とすると、有病率はそれぞれ、膝OAでは男性42.0%、女性61.5%、腰椎OAは男性80.6%、女性64.6%だった。

 骨粗鬆症の有病率については、骨粗鬆症(腰椎)が男性3.4%、女性19.2%。骨粗鬆症(大腿骨頸部)で男性12.4%、女性26.5%だった。これらの結果をまとめると、対象者の実に8割が3疾患(膝OA、腰椎OA、骨粗鬆症)のいずれかを罹患していた。これらのデータから日本全体の患者数(40歳以上)を試算すると、3疾患のいずれかの有病者は4700万人、3疾患すべてを合併する人は540万人に上るという結果になった。

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