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第77回日本消化器内視鏡学会総会から(2009.5.28訂正)
内視鏡検査時の休薬の判断に施設間で大きな差
異なるガイドラインの存在に現場は混乱

「抗血小板薬と内視鏡検査・治療」と題されたパネルディスカッションの様子

 抗血小板薬服用中の患者の内視鏡検査・治療時に、どのようなルールで休薬を行うか。その対応に、病院間で大きなばらつきがあることが、東大病院光学医療診療部長・准教授の藤城光弘氏らが行ったアンケートで明らかになった。5月21日に開催された第77回日本消化器内視鏡学会総会のパネルディスカッションで報告した。

 2005年に定められた同学会のガイドラインでは、消化器内視鏡の施術前に、手技の危険度にかかわらずアスピリンは3日間、チクロピジンは5日間、これら2剤併用の場合は7日間の休薬が推奨されている。

 一方、2004年に日本循環器学会がまとめたガイドラインには、内視鏡による生検や手術時の対応として、アスピリンは施術の7日前、チクロピジンは10~14日前、シロスタゾールは3日前から休薬することが記載されている。2つの学会が異なるガイドラインを提示しているため、休薬の判断について臨床現場に混乱があるのが現状だ。

 今回藤城氏らは、内視鏡検査・治療時における抗血栓薬の休薬の実態を知るために、Tokyo Gastrology Clinical Diagnosis Conference(TGCDC)に参加する関東地方の中核病院を対象にアンケートを実施した。回答を寄せたのは、東大、国立がんセンター中央病院、癌研有明病院、国立国際医療センター、聖路加国際病院、埼玉医大国際医療センター、東京厚生年金病院、調布東山病院、豊島病院、東京逓信病院、三井記念病院、虎の門病院、栃木県立がんセンターの13施設。

 アンケートでは、以下の項目について回答を求めた。
1)マニュアルの有無
2)休薬せずに生検やEMR(内視鏡的粘膜切除術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行って、出血で困った経験はあるか
3)休薬を行うことによってその後の脳心血管イベントを生じたことがあるか
4)アスピリンを休薬できない場合にどうしているか
5)抗血小板薬の休薬と再開時期について
6)日本人のエビデンスは必要か
 今回は、抗血栓薬のうち、ヘパリン置換が有効とされている抗凝固薬を除き、抗血小板薬についてのみ報告した。

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