日経メディカルのロゴ画像

東京都病院協会が病院職員向けに冊子
院内暴力対策を5つのレベルでマニュアル化

2008/08/25
旭 利彦=フリーライター

 東京都病院協会はこのほど、冊子マニュアル『目で見る 院内暴力対策』を発行した。現在急激に問題化している患者の暴力や暴言にどう対処するか、現時点で考え得る対策を病院職員向けにわかりやすく解説したものだ。

 7月13日付の日本経済新聞朝刊のシリーズ「蘇れ 医療」の「全国病院調査 患者サービス編」によると、同調査に回答した病院のうち、実に71.7%もの病院が過去1年で暴言やセクシュアル・ハラスメントを含む院内暴力が起きているという。そして「暴言・暴力は年々エスカレートしており対応に苦慮している」という東海地方の病院の声を紹介している。対策として、警察等への通報を始め、対策マニュアルの整備、職員教育などを挙げる病院が増えているという。

 こうした状況を受けて、東京都病院協会は昨年11月、院内暴力に関して加盟病院対象の調査を実施した。回答があった国公私立の210病院のうち、2006年度中に身体的な暴力を受けたケースは133病院で2674件に上ったという。

 同協会ではこの結果を踏まえ、マニュアル作りを行った。『目で見る 院内暴力対策』の冒頭にはこう記されている。「医療は医師を含めた職員と、家族を含めた患者さんとの信頼関係のうえに立って行う共同作業である。にもかかわらず、関係がくずれ院内暴力は発生する」。

 関係がくずれ院内暴力は発生する原因は多々あるだろうが、その改善は極めて難しい。しかし、暴力は次第にエスカレートする。職員を守るために、早急に対策を打ち出すことが必要というのが、今回のマニュアル発行の狙いのようだ。

 マニュアルに紹介している暴力の発生状況によると、多いのが「身体的暴力」33.3%、「言葉の暴力」32.2%と、これだけで全体の3分の2を占める。次いで「セクハラ」13.9%、「いじめ」9.7%、「その他 嫌がらせ」8.8%となっている。

この記事を読んでいる人におすすめ