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米国でフルオロキノロン系薬剤に黒枠警告、腱炎と腱断裂リスク上昇
対象は全身投与製品、点眼薬と点耳薬は除外

 米国食品医薬品局FDA)は2008年7月8日、フルオロキノロン系薬剤を製造している製薬会社に黒枠警告の追加を指示した。既に処方情報に含まれていた腱炎腱断裂リスク上昇に関する警告を強化し、ラベルと処方情報に黒枠警告が追加される。また、製薬会社は患者向け治療ガイドも作成することになった。

 これらの措置は、警告欄にリスクを記載して以降も、腱炎と腱断裂の症例の報告が続いていることを受けたものだ。

 今回対象となるのは、全身性に用いられる錠剤、カプセル、注射剤で、眼科用、耳鼻科用の局所投与製品(点眼薬、点耳薬)は除外された。FDAは対象となるフルオロキノロン系の薬剤として、シプロフロキサシンゲミフロキサシンレボフロキサシンマキシフロキサシンノルフロキサシンオフロキサシンを挙げている。

 フルオロキノロン系抗菌薬は、主に呼吸器感染症(肺炎球菌、インフルエンザ菌、レジオネラ菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、グラム陰性菌などの感染)の治療に用いられている。

 黒枠警告として表示されるのは、以下のような情報だ。

《医療従事者に対する情報とアドバイス》

1)医師は患者に以下の説明を行う。
 腱痛、腫脹、炎症を初めて感じた段階でフルオロキノロンの使用を中止し、患部を動かさないよう注意し運動を控えて迅速に医師に連絡、別の抗菌薬の処方を受ける。

2)医療従事者は、フルオロキノロンを処方する前に、患者一人ひとりについてリスクとベネフィットを勘案すべきだ。多くの患者は忍容性を示すが、まれに痙攣、幻覚、うつ、QTc延長、心室頻拍、Clostridium difficile関連下痢などの重症有害事象が見られる。また、わずかだが、肝臓、腎臓、骨髄に障害が発生すること、またはグルコース恒常性に変化が生じることもある。

3)感染に対する治療または予防を目的とした抗菌薬としてフルオロキノロンを選択するのは、病気が細菌感染によるものであることが確認された、または強力に疑われた場合に留めるべきだ。他の抗菌薬と同様に、風邪、インフルエンザなどのウイルス性感染症の治療には無効だ。

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