糖尿病治療における経口血糖降下薬といえば、1990年代まではスルホニル尿素薬(SU薬)だけといっても過言ではなかった。だが、現在ではビグアナイド薬(BG薬)、チアゾリジン薬、速効型インスリン分泌促進薬、αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)といった様々なカテゴリーの薬が登場。薬物療法も多様化している。
これらの薬がプライマリケアの現場で、どのように選択されているのかといった実態は明らかになっていないのが現状だ。そんな中、今年5月に開催された日本糖尿病学会年次学術集会では、開業医および糖尿病専門医の経口血糖降下薬の使用状況を示すデータが発表された。
調査に参加したのは、全国保険医団体連合会に加盟する652人の医師。2006年7月に受診した2型糖尿病患者のうち、3カ月以上の通院歴がある患者1万5652人分の経口薬の使用実態を調べた。調査を担当した神奈川県保険医協会のメンバーが、経口薬の併用やSU薬単剤での治療実態、後発品の使用状況などについて発表した。
専門医に定着するBG薬
武田クリニック(神奈川県伊勢原市)院長の武田浩氏は、インスリン非使用の患者1万1157人の使用薬剤数や併用状況について、糖尿病専門医と一般医に分けて分析した。
その結果、使用薬剤数については専門医よりも一般医の方が単剤の使用率は高かった(図1)。
単剤の使用薬剤は、専門医、一般医ともにSU薬が約6割で、一般医では次にαGIが2割と多かったが、専門医では速効型インスリン分泌促進薬やBG薬が同程度で使用されていた(図2)。
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