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東南アジアの医療問題の解決策を多面的に検討
第2回ASEAN医療・保健シンポジウムが開催

(右から)ベトナム保健省大臣のNguyen Thi Kim Tien氏、ASEAN事務総長のSurin Pitswan氏、モデレーターのビジネスウィーク香港支局のSam Moon氏。

 6月5~6日の2日間にわたり、「第2回ASEAN Symposium on Access to Healthcare」が、ベトナム・ハノイ市で開催された。

 ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国の医療・保健関係者、政府関係者ら150人以上が集まり、それぞれの国が抱えるヘルスケア(医療・保健)上の問題点を整理・提示し、関連産業や金融、コンサルタントなどの関係者も加わって、問題解決への道筋をつけようというシンポジウムで、主催はフィリップスとビジネスウィーク社。昨年9月に第1回のシンポジウムが、マレーシアのクアラルンプールで開催されている。

熟練した医療スタッフの育成・確保が喫緊の課題
 シンポジウムは、ベトナム保健省大臣のNguyen Thi Kim Tien氏による、ベトナムのヘルスケアの現状と問題についての基調講演で始まった。ベトナムでは過去10年間でヘルスケア・システムの改善を重点的に行ってきた結果、新しい医療技術などを取り入れることなどにより、医療水準は急速に向上し、医療費はGDPの6.3%にまで伸びてきた。

 しかし「まだ多くの解決すべき問題点が残されている」とTien氏。中でも、都市部と地方(山間部やへき地)、富裕層と貧困層とで、受けられるヘルスケア・サービスに格差があることが大きな問題だという。

 「この解決のためには、まず医師や看護師はもちろんだが、そのほかの医療スタッフを増やしていく必要がある。医療機器など設備面の充実も急がなくてはならない」とTien氏は訴えた。

 ベトナムでは、ハノイ市やホーチミン市などの都市部を中心に外資系の病院が増えているが、「医療水準を引き上げていくには、そうした施設も含め、国際的な協力を仰ぎながら、官民一体となった取り組みが求められている」と強調した。

 続いて、ASEAN事務総長のSurin Pitswan氏が口演し、ベトナムでは市場開放策が企業の活動やジョイントベンチャーの道を切り開いたことは大きな成果だと評価した上で、「ヘルスケアの問題を解決するには、他のASEAN加盟国と共同で基盤を築く必要がある」と述べた。

 「病院などのハード面での社会基盤に加え、医師をはじめとする医療スタッフの熟練度を、ASEAN全体で上げていく必要がある。そして、熟練した人材がASEANの国々を時自由に行き来できるようにすることによって、国を超えたヘルスケアの基盤を作り上げることができるだろう」と語った。そして、「その基盤の上に、それぞれの国や地域の実情に応じた仕組みを積み重ねることが、各国政府に求められている」とした。

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