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日本では「ヘパリン様物質」混入確認されず
原因不明のため、該当製剤の製造停止は継続

 米Baxter社のヘパリン製剤を処方された米国の患者にアナフィラキシー様症状が増えている件に関連して、同じ原薬を使用したヘパリンを販売していた日本の扶桑薬品工業、大塚製薬工場、テルモの3社が3月8日から該当製剤の自主回収を進めている。

 同時に3社はこれまでに製造・出荷した製剤のロットサンプルの検査を、核磁気共鳴(NMR)などを使って実施。3月14日までに、日本で販売した製剤には、米国で販売されたBaxter社のヘパリン製剤の原薬から見つかった「ヘパリン様物質」の混入はないことを確認した。

 ただしアナフィラキシー様症状が、ヘパリン様物質によって起こったものかどうかの解明はまだなされていない。「混入はない」との検査結果が、直接、安全性確認に結び付かないのが現状だ。そのため3社は引き続き該当製剤の生産を停止しており、再開時期は未定という。

 ヘパリン製剤の供給が、日本で全面的にストップしているわけではない。使用している原薬のメーカーが異なるため自主回収を免れた会社もある。また、扶桑薬品工業の場合は原薬を2社から購入していた。うち1社は、Baxter社のヘパリン製剤用に原薬を供給していなかった米Celsus社であり、同社の原薬から製造した製剤は引き続き製造・出荷を行っている。扶桑薬品工業は今後、Celsus社の原薬を使ったヘパリン製剤の生産拡大を図る方針だ。

 代替薬がある場合には、一時的な切り替えで対処できるケースもあるとみられる。代替が難しい用途では、自主回収となった3社のヘパリン製剤の市場シェアは大きいことから、需給が逼迫する可能性は否定できない。透析用など、患者の命にかかわる用途でやむを得ず該当の製剤を使用する場合について、厚生労働省医薬品食品局監視指導・麻薬対策課は「医師には、患者に事情を説明して同意を得た上で処方するようお願いしたい」などと述べている。

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